近年,移動体通信では,ユーザの数が増えてきたので,現在使用できる周波数帯ではチャネル数が不足し始めています.この不足分を補うために,同じ周波数を離れた場所で同時に使用したり,個々のチャンネル間の周波数差を小さくして,使用できるチャンネルの数を増やしたりしています.そのため,チャンネル間の干渉が生じるようになってきました.そこで,符合間干渉だけでなく,チャンネル間干渉も取り除く等化器を作る必要性が生じました.我々の研究室では,この問題を,多チャンネルブラインド等化法を用いて,と呼ばれています.


 人間の優れた聴覚機能の1つに,「カクテルパーティ効果」と呼ばれている聴覚機能があります.これは,パーティ会場で人が大勢いて,ワイワイガヤガヤしている中で,人は話したい人と会話ができ,聞きたい人の声が認識できるということから,その名がついたそうです.これをロボットの耳に持たせるには,どうしたらよいのだろうか? 我々の研究室では,まず,混合信号の分離から研究を始めています.