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ターミナルでのコマンド操作

  1. 仮想端末

    パネルにあるア イコンをクリックして下さい.これで起動するのが「ターミナル」と一般に呼ば れている仮想端末です.「ターミナル」とは,終末,末端と言う意味ですが,昔, 計算機が高価で巨大だった頃,操作するためにはキーボードと小さな画面だけが ついた別の機械から作業する必要があり,そのような入力機械を「端末」と呼び ました.今起動したのは,そのようなハードウェアではなく,画面の中に仮想的 に同じも−を再現しているので「仮想端末」と言うわけですが,もっぱらターミ ナルと呼ぶ方が多いようです.

    LinuxはUNIXですので,たくさんの操作がこのターミナルにおける文字操作,コ マンド操作によって実現できます.ネットワークサーバとして利用されることの 多いLinuxですが,このように離れたところから文字ベースで作業することが出 来るので,管理者は快適に管理を行うことが出来ます.また,今作業しているよ うなGUI環境はXウィンドウシステムと言いますが,このシステムはネットワーク 越しにでも利用可能であるため,ウィンドウを使用するアプリケーションも離れ た場所にある端末から利用できるようになっています.今でこそ,Windowsにも リモートデスクトップの機能がありますが,UNIXはこのような機能を20年前から 実現していました.

  2. アプリケーションの起動

    今日使用したアプリケーションは全てこのターミナルから起動することが出来ま す.コマンドの名前さえ知っておけばメニュー操作よりも早く快適に実現できま す.(そのためにはコマンドを仲立ちしてくれている「シェル」の機能を使いま すが.) 次のコマンドにより,ターミナルからアプリケーションを起動してみま しょう.最後にある&を忘れないで下さい.(コピーペーストでも構いません) また,先頭のドルマーク$は,ターミナルがコマンドを受け付ける準備が出来て いることを意味する「プロンプト」記号なので,入力の必要はありません.

    • $ gedit &

    • $ gnome-terminal &

    • $ mozilla &

    • $ netscape www.ecs.shimane-u.ac.jp &

      このように,目的とするURLを起動コマンドに続けて入力することで,初めから 目的のサイトを表示させることがコマンドは可能です.

    次に,シェルの補完機能を使った例を試してみましょう.コマンドで,Acrobat Readerを起動してみますが,これは,先ほどのお気に入りへの登録でもあったよ うに,コマンドの「パス」(経路)が長いので,いちいちキー入力するのも面倒で すし,途中で間違える可能性も高いです.そこで,シェルに補ってもらいながら コマンドを入力してみましょう.

    $ /u

    ここまで入力したら,キーボードのTABキーを押して下さい.シェルがスラッシュ とuで始まるディレクトリやコマンド名を探した結果,それは /usr ディ レクトリしか無いことが分かったので,後ろを補ってくれました.このような機 能を補完と言います.次は,また少し進んでみましょう.

    $ /usr/lo

    で,また,TABです.すると,/usr/local/ まで補ってくれますね.も し,l (エル) だけで止めると,TABキーを押してもビープ音がするだけです.で も,もう一回TABキーを押すと,lで始まる候補一覧を表示してくれます.

    lib libexec local

    の3つがあるために,補完が効きませんでした.o (オー) まで入れると一意に決 まるので,補完が行われます.後もやってみましょう.

    $ /usr/local/A

    TAB

    $ /usr/local/Acrobat5/b

    TAB

    $ /usr/local/Acrobat5/bin/a

    TAB

    これでコマンドが完了です.最後に&をつけて,

    $ /usr/local/Acrobat5/bin/acroread &

    で起動できます.

  3. その他のコマンド操作

    コマンドの種類はたくさんあります.ファイルを表示したり,コピーしたり,削 除したり,移動したり,とファイルマネージャが行う操作は全てコマンドで実現 できます.キーボードの入力が苦にならない人は,コマンド操作の方が効率がは るかに良いので,一度コマンド操作を覚えてしまうと快適なUNIX生活を送ること が出来ます.しかし,そのための敷居はかなり高いので,初心者には辛い作業に なることも多いのは確かです.

    今日のところは,コマンド操作は主たる目的ではないので,あまり深くはかかわ りません.次のコマンドで今自分がいる場所,その場所にあるファイル一覧を表 示するくらいにしておきましょう.

    • カレントディレクトリの表示

      $ pwd

      Print Working Directoryの略で,カレントディレクトリを最上位の階層からの 経路つきで表示するコマンドです.

    • カレントディレクトリのファイル一覧

      $ ls -al

      LiSt の略で,ファイル一覧表示です.コマンドには,ハイフンに続けて動作を 指示する「オプション」をつけることが可能です.今の例では,AllとLongのオ プションをつけてみました.ドットファイルもふくめて全て表示するAllと属性 まで表示するLong形式で結果が表示されます.

    • 日付表示

      $ date

      日付表示コマンドです.名前がそのままですね.

      $ date '21 Aug' +%j

      では,今日が元旦から何日目かが表示されます.また,

      $ date '21 Aug' +%U

      だと,何週目かが分かります.ただの日付表示コマンドではない,結構高機能な ものでしたね.

    • カレンダー

      $ cal

      CALlenderの略です.今月のカレンダーを表示します.スペースに続けて数字を 一つ付けるとそれを年と判断して指定した年のカレンダーを表示します.数字 を二つ入力すると,月と年として判断して表示します.

      $ cal 9 1752

      の結果が説明できる人は,西洋史や宗教史に詳しい人ですね.

    • オンラインマニュアル

      今の結果に興味ある人はコマンドの使用方法を教えてくれる「オンラインマニュ アル」を利用して,

      $ jamn cal

      としてみて下さい.スペースキーで先に進みます.↑↓キーで1行ずつスクロー ルします.終わるには,「q」(キュー)を押して下さい.


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