情報科学概論
2004.10.1

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  1. 本日の作業内容

  2. Ruby学習環境構築

    • Ruby学習環境S@pphire
      プログラムを作成するには,いくつかのパターンがあります.そのもっとも素朴 な形式は,「テキストエディタ」を利用して,自分でプロ グラム(ソースともいいます)を入力して行き,あるファイル名で保存したものを 実行環境で実行するというものです.昨年度までの情報科学概論ではこの手法で プログラミング実習を行ってきました.一方,これに対して,Microsoftの提供する Visual Basic や Visual C++,また,BorlandのDelphiのように,プログラムを 作成するために専用のツール(アプリケーション)があり,その中で実行ができた り,エラー検出と修正(デバッグ)の機能があったりするものもあります.後者を 統合開発環境 (IDE, Integrated Development Environment) ということもあり ます.また,RDA (Rapid Development Application) とも呼ばれることがありま す.ここで,紹介するS@pphireは前者のようなエディタでソースを記述してUNIX のターミナル(仮想端末)でコマンドラインから実行するようなプログラミング形 式をIDEにちょっとだけ近づける支援環境です.

    • S@pphireの使い方
      私の研究室のWWWページからダウンロード可能です.

      http://www.mag.shimane-u.ac.jp/ruby/sapphire.html

      ここから最新版をダウンロードできますが,もともとが実行するために機械語に 翻訳する必要の無い「スクリプト言語」ですので,ダウンロードしたらすぐに使 えます.ただし,現在利用可能なプラットフォームはUNIXを前提として,Ruby本 体とRuby/GTKがインストールされている必要があります.

      WindowsでRubyを学習する場合には,これを開発するきっかけとなった RubyWinという霊験あらたかな統合開発環境があります.また,もっと凄い, RDE というのもあります.UNIX環境では FreeRIDEというやはり完成度の高いものがあるようですが,自分の学習のた めもあって作ってみました.

      このS@pphireを使うための準備をこれから行います.準備は,ディレクトリ作成, ダウンロード,パネルへの登録,という順で行います.コマンド操作が入ります ので,必要に応じてこのテキストからコピー&ペーストで作業して下さい.

      1. ディレクトリ作成

        ターミナルで次の操作を実行して下さい.これにより,自分のホームディレクト リに sapphire というディレクトリが作成されます.

        $ mkdir ~/sapphire

        このディレクトリが今後この授業で作成するプログラムの保存に関するベースに なります.

      2. ダウンロード

        プログラム本体とアイコンの二つをダウンロードします.先ほど紹介した ダウンロードページ にある「最新版ダウンロード(本体)」の部分をマウスで「 右クリックして,「リンク先を名前をつけて保存」を選択します.すると,例えばMozillaでは図1に示すダイアローグ が現れます.

        図1 ダウンロードダイアローグ

        ホームディレクトリの sapphire ディレクトリを選択することにより, 図1に示すように上部の「ファイルの場所」のところに先ほど作った sapphire ディレクトリが表示されているはずです.教室の環境では表示は,

        /virtual/home/b04**/sapphire

        となっているはずです.ここで,** の部分には自分のログイン名が表 示されているはずです.

        次にアイコンもダウンロードします.ダウンロードページに戻って,アイコンの 絵をクリックすると,図2のようなダイアローグが出てき ます.

        図2 アイコンダウンロードダイアローグ

        図のように「このファイルをディスクに保存する」を選択して「OK」をクリック すると図1のときと同じダイアローグが出てくるのでやはり sapphire ディレクトリを指定してダウンロードします.これで,ダウンロー ドは完了です.

      3. パネルへの登録

        起動が簡単になるように,パネルへ登録することを行います.他にもGNOMEメニュー への登録なども可能ですが,そちらは必要に応じて自分で作業してください.

        画面下部にあるパネル(いわゆる「タスクバー」)のすき間の部分で右クリックす るとメニューがその場所に現れます.このようなメニューを「ポップアップメ ニュー」といいます.その中から「パネル」→「パネルに追加」→「ランチャー」 図3のように選択していきます.

        図3 パネルにアプリケーション起動メニューを追加する手順

        すると,図4のようなダイアローグが現れます.

        図4 ランチャー登録ダイアローグ

        この中のそれぞれの欄に図にあるように以下の設定を記述します.また,アイコ ンは「アイコン:」とあるボタンをクリックして,自分のホームディレクトリに ある sapphire の中の先ほどダウンロードした icon.xpm と いうファイルを選択します.

        設定項目設定内容
        名前S@pphire
        説明Ruby developing environment
        命令cd ~/sapphire;ruby sapphire.rb
        種類Application

        最後に「OK」をクリックするとパネルに登録されます.次回からは, パネル (タスクバー) にあるアイコンをクリックす ると起動して,図5のようなウィンドウが開きます.

        図5 S@pphireのメイン画面

        このウィンドウの下側,左側の欄にこれから学習するRubyスクリプトを入力して行きます.入力したら, 「実行」ボタンをクリックします.すると,実行結果が右の上側の窓に表示され ます.もし,スクリプトに間違いがあると,それに対するエラーメッセージが右 下の欄に表示されるようになっています.

      4. メニュー項目

        ウィンドウの上部に図6に示すメニューバーが用意されています.左の二つの項 目,「ファイル」と「編集」は良く見られる形式のものと同じですので,お分か りになると思いますが,このS@pphireに特有のものは,「実行」「デバッグ」 「オプション」です.

        図6 メニューバー

        「実行」メニューの項目の一部は良く使うものなので,その下のボタンバー(図 7)にも用意してあります.「実行」ボタンをクリックすると,左下のスクリプ ト編集ウィンドウに入力したスクリプトを実行し,右側のウィンドウに表示しま す.「停止」ボタンは「無限ループ」のような終わらないスクリプトを実行して しまった場合の停止操作を行います.「デバッグ」メニューの「構文解析」もボ タンを用意していますが,これは作成したスクリプトが文法的に正しいかどうか を解析するものです.文法に誤りが無ければ結果表示ウィンドウに「OK」が表示 されます.

        図7 ボタンバー

        「オプション」メニューはこの授業では使用しませんが,C言語やPerlなど別の言語の プログラミングを練習するための機能です.

      5. 現状で分かっている問題点

        大変申し訳ないのですが,このS@pphireは現状でバージョンが0.1.4というまだ まだ開発が始まったばかりのツールでして,たくさんの問題や不十分な点を残し ています.特に支障となるような問題点について以下に列挙しておきますので, これらをご理解いただいた上でご使用ください.

        • 修正,更新の判断がおかしい

          何も入力していなかったり,変更していない状態であるにも関わらず,ファイル が更新されているので保存するか,を聞くダイアローグウィンドウが開きます. 必要に応じてボタンをクリックして先に進んでください.

        • ファイル終了時の手順がおかしい

          保存して終了するよう操作すると,名前の付いていないファイルを保存するダイ アローグウィンドウが表示されますが,その上に終了するかどうかを聞くダイア ローグが表示されます.一度戻って保存作業を行った上で最終的な終了の操作を お願いします.

  3. メール環境確認

    この授業ではテストや宿題の提出をすべて電子メールで行います.そのため,電 子メールの操作になれておくことが大変重要になってきます.これまで何度か使っ てきてはいると思いますが,今一度環境の確認を行いましょう.

    • 送受信テスト
      自分宛にメールを出して下さい.そして,受信した後,それに対して返信してく ださい.これらの作業がきちんと行えていれば,電子メール環境の設定は大丈夫 です.もし,送受信においてトラブルが発生した場合には,Sylpheedであれば 「ツール」メニューの「ログウィンドウ」を開いて原因を解明してください. Sylpheed以外のメールツールであれば,事故責任で解決してください.

    • 出席確認