弾性体に加えた力による弾性体の変形を通して力の大きさを測定する。その目的にストレインゲージが用いられる。これは、ゲージの変形による電気抵抗の変化を読み取り電気的に変形量を測定するセンサである。ゲージの比抵抗(抵抗率)ρを用いて、ゲージの抵抗を(2.1)のように表すと、ゲージの歪みによる抵抗変化は図2.2のようにパラメータを取ると下記のようにして(2.2)と求められる。
(微小量どうしの積の項は無視できるので取り除く)
ゲージのポアソン比(力を加えた方向の変形率に対する力と直角方向の変形率の比)を用いて式を変形すると抵抗の変化率は下記のように表される。
ここで、金属においてはΔρ/ρは小さいので無視でき、ゲージの抵抗の変化率はゲージの変形量に比例する。よって、ゲージの抵抗を測定することによりゲージが張り付けてある測定対象物の変形量が測定でき、加わった力を測定できる。
ゲージに半導体を用いた時には、Δρ/ρの項の影響が主となる。
金属の熱起電力を利用した熱電対には
温度による金属の抵抗率の変化を利用して温度を測定する。金属の抵抗は通常非常に小さいのでホイートストンブリッジを用いて計測するが、温度測定部とブリッジ回路との間に距離があると、下図のようにリード先の抵抗も含めて抵抗値が計測されてしまう。
これを防ぐために図2.8に示す3線式のブリッジ回路が用いられる。下図のように描き直すと、基準温度でのRtと等しくR1を定め、また、リード線の長さが等しいことからr2とr3の価が同じであるので、平衡条件を変えないで、Rtの変化が計測されることが分かる。
ほかにも、金属よりも温度による抵抗変化の大きい半導体を用いて温度を測定するサーミスタや熱膨張型のセンサ等が温度の測定に用いられる。