電子計測講議内容(4/23)



  1. 位置、長さのセンサ

    1. 容量形変位センサ

      コンデンサの電極の移動を静電容量の変化として測定し、変位を計測する。平行平板形のコンデンサの静電容量は電磁気学の公式より下図のように求められる。

      1. tが変化する場合

        tにたいするCの変化を求めると下のように求められ、Cの変化率ΔC/Cはtの変化率Δt/tに比例することが分かる。

      2. 差動式の構成

        零位法による測定で感度をあげるためには図2.10のような第3番目の電極を有するコンデンサ配置として中央の電極の変位により生じる静電容量の変化を用いる。コンデンサの直列接続であることを考えると電極の変位により生じる電位差は以下のようにして求めることができる。

        この時の感度は(2.17)となるが、C1とC2の比を求めると以下のようになり、xが求まる。

    2. 誘導形変位センサ

      鉄心にコイルを巻いた構造のインダクタンスにおいて鉄心の一部が動くようにしてあるものを考える。図2.12の構成の場合、自己インダクタンスは鉄心部分の磁路の長さと空隙部分の長さを考慮して以下のように求めることができる。

      この構造において鉄心の一部が動いてtが変化した時に生じるLの変化、および、感度は以下のようにして求まる。

      インダクタンスを用いた場合でも感度をあげるために零位法を用いて差動形にすると図2.14のようになるが、実際の回路では可変抵抗等を用いて0調整をする等の補正が必要である。

  2. 磁気センサ

    半導体ホール素子を用いて磁場を計測することができる。ホール効果は磁場中を運動する荷電粒子に働くローレンツ力とローレンツ力により生じた電流と直角方向の電場による力の釣り合いにより、素子において電流と直角方向に電圧が生じる現象であり、以下のように記述される。ここで、電流の向きがxの正方向であり、磁場がzの正方向にかかっているとしている。また、半導体においては、電場によって生じる電流を求める際に、移動度が問題となるので、移動度をμとしている。

    他のセンサとして光センサもあるが、ここでは省略する。


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