2-7 アナログ回路
オペアンプにおける負帰還の効果
上図のような回路を考える。ここで、AはOPアンプの増幅率、βは帰還回路の増幅率である。
OPアンプの増幅率の変動による回路定数の変動を調べる。A→A+ΔAとなった時のゲインの変動をG→G+ΔGとして、感度Sを次のように定義する
よって、Gの変化率はAの変化率の1+βA分の1となる。βA>>1であるので、回路の動作は負帰還により安定化する。βAをループ利得と呼び、実際の回路ではA=104、β=10-2程度となるので、βA=100、G=100、S=10-2となり、Aが10%変化してもGの変化は0.1%となる。
一方、βの変動によるGの変化を考えると、
となり、βA>>1のとき、S=-1である。すなわち、βの変化はそのままGの変化としてあらわれる。しかし、βは受動素子の定数であるので、変動は本来ほとんどないと考えられる。よって、負帰還においてはβとして変動の少ない素子を選んで用いれば、安定な動作が得られる。
加算器
キルヒホッフの法則により、i1+i2+i3+if=0の条件を入れることにより(2.31)が導かれる。
減算器
図2.22(b)の回路において、VAを流れる電流をi1、VBを流れる電流をi2とし、回路を二つに分けて以下のように考える。
よって、減算回路においては入力電圧の差が増幅されて出力端子から取りだせる。
積分器
図2.23(b)の回路において
となり、出力電圧は入力電圧を積分したものとなる。Vin=Vexp(jωt)のとき、
であるので、(2.35)が導かれる。