電子計測講議内容(6.11)


前回の臨時小テストの解答

I. 結果分析

まずは、採点結果の表示



2.番の図のダイオードの表示法がまずかったため誤解した学生が多かったので、実際はもう少し平均点(9.7点)が上がるはず。

II. 解答

1. 方形波の積分

重要なことは以下の積分の値が0であること。



もし、一周期分の積分が0でなければ、数学的には連続した方形波を積分した波形は∞に発散してしまう。

実際の波形の計算は以下のようにして行う。



ポイントは不定積分になるので、境界条件を積分定数として与える必要があること。


一般に方形波は定数を積分することから三角波になることは覚えておく必要がある。また、方形波を微分するとパルス波形を作ることができる。

先ほどの計算は時間領域で行ったが、実際には計算は複素周波数領域で行う方が簡単になる場合が多いので、以下で計算してみる。

まず、基本の方形波の一周期分はステップ関数を用いて以下のように記述される。





この波形をラプラス変換すると、



と表される。繰り返し波形については、1/(1-ε-Ts)をかけるので、以下のようになる。



時間領域での積分は複素周波数領域では1/sをかけることに相当するので、上のF(s)になる。

ところで、ランプ関数のラプラス変換は以下の式で与えられる。




よって、積分波形を求めるために逆変換する必要はなく、6秒の周期を持つ繰り返し波形で、一周期分は三つのランプ関数の和で表されることが分かる。よって、求める積分波形は、



となり、三角波となることが分かる。実際のグラフは以下のようになる。



また、計測制御ソフトウェアであるLabVIEWを用いて方形波を積分するプログラムを実演した。この目的は、一周期の積分が0にならない例について、実際の波形を示すためである。まずは、ファンクションジレネータVIを用意する。方形波のデューティ比が50%の場合には



のような表示になり、これを積分したものは、



となる。つぎに、デューティ比を20%とすると、方形波とその積分波形はそれぞれ以下のようになる。





このように一周期の積分が0とならないものは、その積分波形は収束しない。


2. 論理回路

おわび

ダイオードのつもりで描いた記号がインバータに見えた人が多かったようで混乱させました。すみませんでした。

解答

AもしくはBの端子が+5Vのときと0Vのときとで真理値表を作成する。端子電圧が5Vのときはダイオードの両端の電圧が等しいので、そのダイオードには電流が流れない。端子電圧が0Vのときには順方向バイアス状態であるので電流が流れる。A、Bともに+5Vであれば、回路には電流が流れないので、5kΩの抵抗の両端の電圧は等しい。よって、Output端子の電圧は+5Vとなる。AもしくはBのどちらか、また、両方の電圧が0Vになると、+5V端子からAもしくはB、または両方の端子に向けて電流が流れるので、抵抗の両端で電圧降下が生じ、Output端子の電圧は0.7Vとなる。

以上を真理値表にすると、
A
B
Output
0
0
0
1
0
0
0
1
0
1
1
1


 よって、ANDゲートとなる。


5章 データ処理

この章は2年生のときの計測基礎で学習しているので、飛ばす事になっているが、移動平均の具体例として乱数の平均値を3個の移動平均と8個の移動平均の場合について示し、その違いを目で見て感じてもらう。

上が3個の移動平均であり、下が8個の移動平均の図である。乱数は、0-1の範囲で発生している。





7章 光計測

7-1 光センサの種類

各種の光センサについてテキストの内容を適宜補足しながら講議した。補足内容については後日掲載。


このページのトップに戻る

講議内容抄録ページのトップに戻る

トップページ(index.html)に戻る


このページに関するご意見は下記のアドレスまでお願いします。

nawate@ecs.shimane-u.ac.jp