電子計測講議内容(6.18)


7-4 レーザの原理

コヒーレンスの補足


時間コヒーレンス

平面電磁波の一般的な表式




空間コヒーレンス




時間コヒーレンスに関して

通常の光源(白色光)
フィラメントに通電し熱により電子を励起
熱エネルギーには幅があるので様々な準位の電子を励起

蛍光等
ガス放電により単色光に近い光を発生し、管の内側の蛍光塗料の電子を励起することにより発光

ナトリウム灯
トンネルなどで使用(イギリスでは街路灯として使用)
ナトリウムのD線(非常に波長の近い二種類の光)
ただし、コヒーレントでない

7-5 レーザの種類

光の波長の補足


~0.2 μm: 真空紫外 

酸素や窒素などの気体分子に吸収されるので、空気中を伝わらない


0.2~0.4 μm:紫外線(オゾンに吸収される)

通常の板ガラスは0.25 μm以下の波長の紫外線を通さない。(0.35 μm以下で急激に透過率が低下する)また、1μm以上の赤外線もあまり通さない。


5 μm以上: 遠赤外線



物質の電子状態は電磁波の透過率(反射率)を求めることから知ることができ、どのような波長の電磁波を当てるかは求めたい電子状態のエネルギー準位による。


YAGレーザの薄膜作製への応用


レーザアブレーション法
Laser Ablation

ab・la・tionXBKDW`]M
━《名》[U]
1
(手術などによる)除去, 切除.
2
【宇宙】 融除, アブレーション (宇宙船の大気圏再突入時に保護用の外部表面が融解すること).
(システムソフト電子辞典)






He-Neレーザにおける光共振(ブリュースタ窓)

ブリュースタ角


電磁波が異なる屈折率を持つ媒質間を通過する時には、反射、透過が起こる。この時、境界条件として界面に平行な電界成分および磁界成分の大きさが等しくなる。

   スネルの法則


入射面に平行な電界ベクトルの反射率を計算する。

境界条件から



電界と磁界の間にはインピーダンスZを介してE=ZHの関係があるので、二番目の境界条件は以下のように書き直せる。



これを一番目の式に代入して



反射率およびインピーダンスは



となるので、反射率は以下のように表される。



反射率は分子が0のとき、0になる。すなわち、界面で光は一切反射されないで透過する。0になるのは、



の条件を満たす屈折率と角度のときである。ブリュースタ窓はこの条件を満たすようにレーザ共振器内に設置され、特定方向の電界ベクトルを持つ光だけを反射なしで透過し、直線偏光を得る。


7-6 レーザによる長さの精密測定(マイケルソン干渉計)

コーナー・キューブ


いかに示すように、入射波と反射は必ず平行になる性質を持つ。




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