電子計測講議内容(6.25)
7-7 レーザ光による速度の測定(レーザ・ドップラー速度計)

レーザドップラー速度計


速度分解能

ΔfD=f v/c
c = 300000 km/s = 3×108 m/s
f = 600 THz = 6×1014 Hz
ΔfD = 0.3 MHz = 3×105 Hz
∴ v = ΔfDc/v = 0.15 m/s

(7.7)の導出


周波数と波長の関係および、屈折率を用いて


    (c'は流体中の光速)


と、かけるので、散乱波の周波数は以下のようになり



透過波は



となる。よってドップラーシフトは



と計算できる。→ (7.7)式


7-8 レーザ走査システム

ポリゴンミラーの応用


レーザプリンタ




高速回転するポリゴンミラーによってレーザビームが感光ドラム上をスキャンする。印字情報によりレーザビームが変調を受け、ドラム上にパターンが転写される。



超高速レーザプリンタはガスレーザを用いて、ON/OFFは光変調器により行う。(15000行/分)


7-10 光ファイバの原理

光ファイバにおける全反射


ブリュースタ角のときと同様に電磁波の電界ベクトルを用いた反射率の計算を行う。



n≦1のとき、n2=sin2θとなるθにおいて、R‖=1

∴sinθ=n




7-12 光ファイバ応用センサ

ファラデー効果


旋光



物質を透過した光の偏光面が回転する現象を旋光という。ファラデー効果は磁気モーメントの存在により偏光面が回転する場合の効果である。

旋光、円二色性



通常の直線偏光は左図のように偏光面が右回りと左回りの円偏光の合成であるが、どちらかの円偏光の位相が進むと右図のように偏光面が回転する。これが旋光である。

直線偏光は、以下のように複素数を用いて表される。







左右のどちらかの円偏光の振幅が変化すると偏光面の奇跡は楕円を描くので、楕円偏光と呼ばれ、このような性質を円二色性と言う。実際の物質では位相と振幅の両方が変化するので、右図のような偏光特性を示す。

ファラデー効果は磁気モーメントの向きにより円二色性を示すので、磁気円二色性と言われる。
(Magnetic Circular Dichroism)


通常の旋光と磁気的なものの違い



光が鏡で反射し、物質内を往復する時、通常の旋光は偏光面が元に戻るが、磁気的な旋光は偏光面の回転角が2倍になる。

光磁気記録の読み出しには同様な性質によるカー効果(反射効果)が用いられているが、磁性金属層は薄い(50nm以下)ので、透過する光もある。そのため、反射膜をおいて、ファラデー効果も合わせて利用している。


光学活性の原因

物質の光の反射、透過に関わるパラメータは誘電率(導伝率)であるが、一般にテンソルで表記される。通常の光の反射、透過は対角成分により生じるが、光学活性は非対角成分が存在することによる。



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