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標準抵抗器

高抵抗時に洩れ抵抗の影響が発生するため,外箱にも端子をつけておくと,標準 抵抗を流れる電流のみを測定系に流すことができる.図3.14(b)の左に電源$E$を, 右に電流計を接続した場合,電源から左側の洩れ抵抗$r_1$を流れて還流する閉 回路,三つの抵抗で囲まれる閉回路,右側の洩れ抵抗$r_2$と電流計で構成され る閉回路を想定すると,

\begin{displaymath}
\begin{array}{rcl}
E & = & r_1 i_1 \\
r_1 (i_2 - i_1) + ...
...2 (i_2 - i_1) & = & 0 \\
r_2 (i_3 - i_2) & = & 0
\end{array}\end{displaymath}

となり,$i_2 = i_3$なので,$R$を流れる電流と同じ電流が電流計に流入する. 端子が外箱と接触していなければ,電流計で測定するのは$R$$r_1 + r_2$の並 列抵抗を流れる電流となってしまう.



平成18年5月10日