特徴は間隙部の磁場分布.模式的に表すと,下図のようになる.
電磁気学で学習したように,透磁率の異なる媒質を横切る磁界については,磁束 密度の法線成分と磁界の接線成分が界面の両側で等しくなる.図では, である.接線成分については図には無いが となる.透磁率が磁性材料と真空中では1000倍以上異なるので, であり,図に示すように であるので,磁路の中を平行に進んで来た磁束は間隙に出てきたとき に焦点に集まるような向きに変わる.その結果,間隙部の磁界分布は放射線状と なり,可動コイルが回転しても受ける磁界に変化は無い.
コイルの制動にはAlなどの軽い金属でできた枠にコイルを巻くことで,渦電流に よる制動トルクを発生させて利用する.コイルに電流が流れることによ りコイルが力を受けて回転するが,その回転によりAl枠中の電子にロー レンツ力が加わり枠内を移動する.その電子の流れはコイルの電流の流 れる方向と同じであるので,電流はコイルとは逆方向に流れる.これは, コイルの回転力と反対向きの力を生じさせるため,制動トルクとして利 用できる.