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2006.6.5

電磁気計測 中間テストと解答例 2006.6.5



  1. 統計的仮説検定に関する以下の問いに答えよ.

    1. 表1に示すようにAとBという測定値の二つの集合がある.このとき,AとB の平均値をそれぞれ求めよ.

      Aの平均値,12.8

      Bの平均値,11.9

    2. AとBの測定値の分散を求めよ.

      Aの分散,0.28

      Bの分散,0.11

      引き算を途中に含んでいるため,有効数字の桁落ちに注意.ここでは,一応2桁 取ってある.

    3. AとBの共分散および$t$値はそれぞれ0.24および2.96となる.問い(1)で 求めたAとBの平均値の差を表2に示す$t$分布表を用いて$t$検定により議 論せよ.

      今の場合,自由度は8であり,$t$値は危険率0.02の値2.90よりも大きいため,両 者の平均値の差に違いがあるという仮説を否定する危険率は2%以下であ る.よって,有意水準98%で両者の平均値の差が有意であると結論できる.



    表1 両グループの測定値 表2 $t$分布表
    A B
    12.2 11.5
    13.5 12.1
    13.1 11.9
    12.8 11.6
    12.4 12.3

    自由度 0.10 0.05 0.02 0.01
    6 1.94 2.45 3.14 3.71
    7 1.89 2.36 3.00 3.50
    8 1.86 2.31 2.90 3.36
    9 1.83 2.26 2.82 3.25
    10 1.81 2.23 2.76 3.17



  2. 巻線抵抗器を交流回路で使用する場合について,以下の問いに答えよ.

    1. 等価回路を描け.

      \includegraphics{resistance.eps}

    2. 巻線抵抗器の周波数依存性を低減するためには本来の$R$以外に付随する 寄生素子の値をどのようになるようにすれば良いか,等価回路のインピー ダンスから議論せよ.

      
       http://www.ecs.shimane-u.ac.jp/~nawate/lecture/mag06/05-08/node6.html
      
      

      にあるように等価回路のインピーダンスは計算できるので,周波数を含む項が0 になるように寄生素子の値を選択して行けば良い.今の場合,$L=RC^2$ となる.



  3. 図1に示す電圧波形の平均値および実効値を求めよ.

    \includegraphics[width=8cm]{wave.eps}
    図1 電圧波形

    【平均値】

    平均値は

    \begin{displaymath}
\overline{v} = \frac{1}{T} \int_0^{T}\left\vert v(t)\right\vert dt = \frac{2}{T} \int_0^{\frac{T}{2}} v(t) dt
\end{displaymath}

    として,計算される.ところで,図1の電圧波形は直線だけからなるので,積分 の部分は面積を求める作業と等しいので,以下のように簡単に求められ る.

    \begin{displaymath}
S = \frac{1}{2} \frac{T}{8} V_0 + \frac{T}{4} V_0 + \frac{1}{2} \frac{T}{8} V_0 = \frac{3}{8} V_0 T
\end{displaymath}

    上の値を$T/2$で割れば良いので,平均値は $\frac{3}{4}V_0$となる.

    【実効値】

    実効値は

    \begin{displaymath}
v_{rms} = \sqrt{\frac{1}{T}\int_0^T v(t)^2 dt}
\end{displaymath}

    で与えられる.図1の波形の場合, $0\rightarrow\frac{T}{8}$ $\frac{3T}{8}\rightarrow \frac{T}{2}$の間の部分の$v^2$面積は等し い.また,半周期分の面積を計算すれば一周期分はその2倍であるので, 以下のように簡単化して$v^2$$t$軸で囲まれる面積を計算できる.

    \begin{eqnarray*}
\frac{S}{2} & = & 2 \int_0^{\frac{T}{8}} \left(\frac{8V_0}{T}...
...ac{V_0^2}{12} T + V_0^2 \frac{T}{4}\\
& = & \frac{1}{3}V_0^2 T
\end{eqnarray*}

    よって,実効値は以下のように求められる.

    \begin{displaymath}
v_{rms} = \sqrt{\frac{1}{T} \frac{2}{3}V_0^2 T} = \sqrt{\frac{2}{3}}V_0
\end{displaymath}



  4. 図2に示す容量形電圧変成器の分圧比$V_1/V_2$を求めよ.





    \includegraphics[width=6cm]{voltage.eps}
    図2 容量形電圧変成器の構成

     
    http://www.ecs.shimane-u.ac.jp/~nawate/lecture/mag06/05-29/node5.html
    
    

    にある計器用変成器の部分を参照のこと.




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平成18年6月8日