コンピュータネットワーク基礎
2003.7.11
授業内容改善のための全学アンケートに協力して下さい.時間は約10分です.
本学科で独自に実施している無線LANによる接続実証実験の参加者を募集してい ます.概要について,口頭で説明しますので,希望者は参加申請してください.
期末試験は,いつもの授業と同じ形式で実施します.コンピュータを利用してメー ルにより解答を提出しますが,体裁を揃えるために基本となる解答用紙をダウン ロードして,エディタで記入する形式です.方法になれておくために,一度試し てみて下さい.
今年度から教室のシステムに導入されたオープンソースのフリーオフィスツール である,OpenOffice.orgは,ソースコードの配布だけでなく改編なども可能なア プリケーションです.Windows上でも動作しますが,ここではLinux上での環境構 築を行います.レポートをまとめるとき,プレゼンテーションを行うとき,など 卒業研究以前にもいわゆるオフィスツールを利用する機会が近年増えて来ていま す.ライセンスフリーのOpenOffice.orgを使用することにより余分な費用負担無 しで,高機能なツールが利用できます.
使いはじめるには,まず,インストールなどの準備が必要です.これは,ターミ ナルからセットアッププログラムを呼び出すことにより行います.次のようにし ましょう.
$ /opt/OpenOffice.org1.0.1/setup
このコマンドにより画面全体に広がる青いウィンドウと,その前のダイアローグ ウィンドウが表示されます.順に作業を行って行きましょう.
図1 セットアップの開始 「次へ」をクリックします |
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図2 ライセンスの表示 「次へ」をクリックします |
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図3 ライセンスの承諾 「同意する」をクリックします |
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図4 ユーザデータの入力 記入せずに,そのまま「次へ」をクリックします |
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図5 インストールの種類 「ワークステーションインストール」を選択し,「次へ」をクリックします |
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図6 ディレクトリ選択 そのまま「次へ」をクリックします |
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図7 警告 「はい」をクリックします |
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図8 インストール 「インストールする」をクリックします |
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図9 Jave環境 「OK」をクリックします |
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このあといくつかエラー表示が出ますが,「無視する」を選択してください. |
GNOMEメニューから図10のような経路で選択できます.
図10 GNOMEメニューからの各ツール起動手順
図11 ユーザ登録画面
図12 Swriterの初期画面
教科書のp.51から説明があるように,日本語で利用する場合にはデフォルトのま までは問題があります.p.53のコラムで紹介されている導入キットが利用できま すので,ここからはその準備をします.まずは,キットをダウンロードします. webサイトは教科書の記述から変更があって,現在は,
に移っています.そこにアクセスすればダウンロードできますが,今日は教室内 に用意してあるファイルの方を利用することにします.次のコマンドを実行して ください.
このファイルは圧縮されていますので,伸長(元に戻す)する必要があります.コ マンドは次のようになります.
$ tar zxvf OOo_ja_config0.5.2.tar.gz
画面に高速でメッセージがスクロール表示されたと思います.コマンドがエラー 無く終了していれば,新たに OOo_ja_config というディレクトリが作 られています.そこに移動します.
$ cd OOo_ja_config/
中にあるファイルを ls により見てみましょう.README と いうファイルがあるはずです.ソフトウェアをダウンロードすると,このファイ ルは大抵用意されています.(大文字,小文字の表現はいろいろありますが.)文 字どおり,「読んでね」という名前のファイルですからこれを読むことにより, 作業ができるようになります.ここには,インストール方法が書いてあります.
一通り読んだなら,次のコマンド操作を行います.
以下は対話メッセージにしたがって作業を行います.
OpenOffice.orgのインストール先は「/home/b0199/OpenOffice.org1.0.1」でよろしいですか?(y/n) |
完了 |
時間の都合で各ツールや機能に関する詳しい紹介ができません.表題では,ワー プロを中心に試すことにしていましたが,文章入力の手間を考えると,表計算の 機能を試す方がよさそうですので,予定を変更して次のような作業を行ってみま しょう.なお,詳細については,
を見て下さい.
GNOMEメニューの「お気に入り」にOpenOffice.orgの各種ツールが入っています ので,その中の表計算「Calc」を選択して起動します.以下の各操作を試してみ ましょう.
適当なセルを選んでキーボードから数値を入力します.Enterキーを押すと内容 が確定し,アクティブなセルは一つ下に移動します.数値は右寄せで表示されま す.数値の桁が増えてセルの幅よりも長くなると,セルには###が表示されます. セルの上部のアルファベットのコラム名が表示されている部分の境界線上にマウ スカーソルを置くと,セル幅変更用のカーソルに変わりますので,ドラッグして 変更してください.「書式」メニューの「列」から「列幅」を選択すると数値で 幅を設定することができます.
文字列は左寄せで表示されます.日本語入力は普段と同じキーコンビネーション です.日本語が使われているセルで文字の表示がおかしいときには,フォントの 指定を見直して下さい.Linuxで使用できる日本語フォントは残念ながら「東風 (こち)」フォントしかありません.
規則性のある数値は自動で補ってくれる機能があります.例えば,A3セルに1を 入力し,確定させます.再びセルを選択したときに黒い枠で囲まれていますが, 右下の正方形がついている部分を下にドラッグすると,整数が順次補われます. A4セルに3も入力してから,A3とA4の二つのセルを選択してドラッグすると奇数 の列,A3とA4の両方のセルに同じ数字だと,繰り返し同じ数字が入力されます. 文字と数字の組合せでもこの自動機能は働きますので,a11,a12のようになって いるセルをドラッグすると,続きのa13などが入ります.
計算は式を書けばそのまま計算されます.表計算の利点はセルの数値を参照して 計算できることです.先ほどの作業でA3からA10まで連続する整数が入っている とすると,B3のセルに
=A3*5+1
のように入力して確定すると,6が表示されます.計算式の入っているセルもオー トフィルが効きますので,同じ様にドラッグしていくとAの列の数字に対する計 算結果がBのセルに表示されて行きます.
関数を使った計算も可能です.関数は,「挿入」メニューの「関数」を選択する と何が用意されているか,見ることができます.実にたくさん用意してあります が,実験レポートなどを作成する際には,「数学」メニューになるものが,デー タ処理ならば「統計」メニューにあるものが役立つでしょう.
この講義では,これまで2進数,8進数,16進数を使うことがときどきありました. コンピュータの世界では頻繁に使われますが,日常ではあまり登場しないことも あって慣れるのに少し時間がかかります.ここでは,その変換を行う関数を呼び 出して自分で試してみましょう.
A1のセルに100と入力します.次に,B1に次のような関数を入れてみます.
=dec2bin(A1)
ここで,A1の部分には実際にセルをクリックするだけで入力できます.確定する とどうなるでしょうか.1100100が表示されるはずです.C1には次のようにして みましょう.
=dec2hex(A1)
64になりましたか.ここまで見てきて感の良い人ならば分かると思いますが, decとはdecimalの略ですね.binはbinary,hexはhexdecimalです.数字の2はコ ンピュータの世界で良く使われますが,英語のtoの意味です.すると,逆変換の コマンドはもう分かりますね.
IPアドレスのところで紹介したように,クラスAは先頭の8ビットのさらに先頭が 0で始まるものでした.クラスBは10,クラスCは110で始まりました.この8ビッ トの数値を10進数に直すことをやってみましょう.関数はbin2decです. 調べる数は,
01000000 から 01111111,10000000 から 10111111,11000000 から 111111111
の範囲の数です.
ネットマスクも16ビットや18ビットだけではなく,18ビットや28ビットの場合も あることを紹介しました.192.168.10.20/28 や 172.16.100.1/18 で表示される ホストのネットワークアドレスを計算してみましょう.上と同じ計算です.
ファイルの保護モードは8進数で表現しました.ユーザ区分毎に3桁の2進数で設 定したものを8進数で読み直すことを学習しました.ここではもう一度試してみ ましょう.
ユーザに読み書きの権限があり,グループには読み出し権限のみ,その他は何も なし,とすると,順に rw-r----- で表現され,文字があるところに1,- のところに0を入れたものが2進数表記です.すなわち,110100000になります. これを8進数表記に直します.関数は,予想がつくように,bin2octで す.
文字の色を16進のカラーコードで試すことも行いました.これも変換してみましょ う.すなわち,RGBのそれぞれを256階調のどれかに設定すると16進に直すように するものです.例えば,A1セルがR,B1セルがG,C1セルをBの色として,0から 255までの適当な整数を入れて,A2からC2に変換結果を表示させてみます.関数 は,dec2hexですね.
その他にも関数はたくさんありますが,1年生向けの授業で行った小テストの模 擬採点計算も見てみると面白いかも知れません.
授業の終了20分前くらいにAクラスと Bクラス別の小テストを実施します.アナウ ンスに注意してください.また,提出は電子メールにより行いますので,メール の送信準備は忘れないでいて下さい.
授業の終りに宿題(AクラスとBクラス)の説明をしますので,アナウンスに注意してください.