エレクトロニクスセミナーA
2000.1.24


  1. 本日の作業内容



  2. MOの利用法

    UNIX系のOSを利用する場合には操作対象のものはすべてファイルとして扱われ、その所在を表す方法としてディレクトリ名とファイル名を組み合わせた絶対パスがある。現在使用しているシステムに関しては、起動時に/etc/fstabによって自動的に利用できるように設定されているが、そのようなディレクトリツリーに加える操作をマウントという。ハードディスクは一番最初にマウントされ、書き込みや読み出しの許可が設定されている。

    ところが、バックアップ用に用いられるリムーバブルメディアに関しては、起動した後で随時デバイスをマウントする必要があるが、このマウントコマンドは通常はroot権限がないと利用できない。このあたりのUNIX系の思想は高価な本体は管理者だけが操作し、一般ユーザはネットワーク上の端末からコンソールを利用して操作する、という以前の利用法からできている。最近では、Linuxに象徴されるように個人で各種のサーバを立ち上げることが可能となり、また、補助記憶装置の低価格化によりリムーバブルメディアを利用することも多く、root権限によりマウント操作を行うのは不便を感じるところである。

    しかし、それらの権限を一般ユーザに自由に与えると本体ハードディスク自体のマウント、アンマウントの操作も可能となるので危険であり、安易にはできない。

    教室のシステムではTkDeskというデスクトップファイルマネージャによりマウント操作を自動で行えるように設定してあるのであらかじめ登録してあるボリューム(フロッピーディスク、CD-ROM、MO)に関してはユーザ権限でマウント出来るようになっている。(ただし、設定に不備があり、アンマウントに関しては、うまくいかないようである。ディスクの取り出しはhaltコマンドを使って、システムが止まってから行う。)

    なお、MOなどはファイルシステムを作成しないとそれを利用可能な状態にできない。そのような操作をフォーマットというが、Linux本来のファイルシステムであるext2形式でフォーマットするためにはroot権限が必要である。よって、ユーザ権限でMOを利用する場合にはあらかじめDOSフォーマットが行われているディスクを使う。

    では、どうやってDOSフォーマットを行うか?フォーマット済みのディスクを買うか、情報処理センターなどでフォーマットするか、何らかの方法を駆使すること。

    DOSフォーマットのディスクであれば、TkDesk起動後に挿入することにより自動でマウントされ、/vol/moとしてマウントされる。ファイルのコピーなどはそのディレクトリ名を指定することにより行うことが出来る。


  3. プリンタの利用法

    MacやWindowsにおいては、プリンタを利用する場合にはそのプリンタ固有のドライバが本体に添付されており、そのドライバをインストールして使う。すなわち、個々のプリンタドライバが必要になるわけである。一方、Linuxにおいては、Adobeという会社が始めたプリンタ記述言語のPostScriptを理解するプリンタであれば特別なデバイスドライバをインストールする必要はない。PostScriptはテキストで書かれた言語であり、印刷データを言語で記述して印刷命令をプリンタに与える。よって、共通の言語として利用可能であり、Linuxを始めとしてUNIXでは主にPostScript(PS)プリンタを利用することが多い。

    教室にも4台のPSプリンタが置いてあり、それらはネットワーク接続によりどの端末からでも印刷可能である。Linux上の印刷の基本は以下のようなコマンド操作により行う方式である。

    lpr -Plp1 hoge.ps

    ここでは、lp1という一番のプリンタ(一番窓側)に対して、hoge.psというファイルを打ちだす命令となっている。lprはlpdというプリンタデーモンを呼び出し、印刷を行う。よって、システムでこのlpdというデーモンが動いていないと印刷はできない。複数の処理がlpdに命令されると順番に実行されるので、自分の出力ファイルがすぐに出てくるわけではないことにも注意すること。

    さて、上の例のように、印刷するファイルはあらかじめ、psという拡張子を持つPS形式のファイルにしておく。そのためには、次のコマンドを用いる。

    a2psj hoge.txt > hoge.ps

    ここで注意するのは、>のリダイレクト記号である。試しに、>なしで同じコマンドを実行してみるとよくわかるが、画面にポストスクリプト言語で印刷内容が表示されるだけである。リダイレクトを用いて、その内容を別ファイルとして作成し、それを印刷ファイルとしている。上記はテキストファイルをPSファイルに変換したが、TeXの作業ではdviファイルをPSファイルに変換することにより印刷できる。

    TeXにおいて仕上がりを見るためにxdviを立ち上げるとメニュー(画面右側に立てに並んでいる)にプリントボタンがある。これを押すとプリントされるがその際にはデフォルトではプリンタ名がきちんと入力されていない場合もある。自分で、プリンタ名の設定をlp1-lp4まで選んで実行するほうがよい。また、それでもポストスクリプトエラーが表示される場合には、上記のようにコマンドラインで印刷操作を実行することが好ましい。

    なお、教室には基本的には印刷用紙はストックしていない。学生の皆さんを信用していないわけではないが、自由に使えるように紙を置いておくといくら置いてもすぐになくなる、という経験則から受益者負担の原則でいくのが望ましいからである。


  4. 課題

    課題に関しては、授業の途中で指示する。


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