エレクトロニクスセミナーA


1999.10.18

  1. 本日の作業内容

    エディタ(Emacs)の練習
    telnetの操作

  2. エディタの操作

    テキスト(ホップ!ステップ!Linux!)のp.60から始まる章を見ながらエディタの操作を練習する。

    1. 起動

      テキストはmuleに関して説明してある。muleとはemacsという高機能エディタを多言語対応させたものであり、しばらく前は日本語をemacsで利用するためには必須のエディタであった。しかし、最近ではemacs本体の中にmuleの機能が組み込まれたため、emacsのみで各種の言語を利用できるようになった。

      よって、教室の端末にはemacsのみがインストールしてあるので、エディタの起動にはemacsというコマンドを使用する。

      X上でemacsを起動した場合には新たにWindowが開くので、マウスにより位置を指定する必要がある。ktermなどのコンソール内に立ち上げたい場合には、-nwのオプションをつける。教室から外部のサーバなどに接続した場合にはXプロトコルが通らないので、サーバ上のemacsはこの-nwのオプションを付けないと起動できないので注意すること。

      起動後はカーソルの移動や編集機能、また、ミニバッファの表示などテキストにしたがって適当に操作しながら練習すること。

    2. 日本語入力

      テキストp.68にはWnnを利用した日本語入力の説明があるが、教室の端末ではCannaを利用するので、以下のようにしてCannaを起動した後にかな漢字変換により日本語を入力する。

      Alt + x canna

      として、変換サーバを起動する。その後は、

      Ctrl + \ (もしくは Ctrl + o )

      で日本語入力とアルファベット入力を切り替える。

      操作は基本的にはテキストにあるWnnと似ており、ローマ字かな変換によりひらがな入力した後で、スペースキーを押して変換する。日本語入力モードの中でカタカナやアルファベットを入力したい場合は、Ctrl+nやCtrl+pで候補を選択する。文節の長さを変える場合にはCtrl+iとCtrl+oで行う。自分の名前など単純に変換出来ない場合には辞書に単語登録を行っておいた方が便利である。

      かな漢字変換の詳細についてはテキストを参照すること。また、以下のページにも簡単なキー操作一覧が掲載されているので、参考にしても良い。

      http://www.ecs.shimane-u.ac.jp/~nawate/lecture/html/5-26/ja.html

    3. 例文入力

      新しいバッファに以下のような文章を日本語入力の練習として作成する。入力が終了したら

      Ctrl+x Ctrl+w

      のキーの組み合わせによりファイル名を自分の学生番号と同じにして保存すること。

      【例文】

       島根大学総合理工学部電子制御システム工学科においてMacintoshを使っている教員は、制御システム工学大講座の芦田先生、計測システム工学大講座の本多先生、古津先生、電気電子システム工学大講座の西村(正)先生、井上先生、舩曳先生、電子デバイス工学大講座の梶川先生、藤田先生に縄手を加えて合計8人です。比率にすると、学科の中の38%になるので、Windowsが多い現代社会でも、大学ではMacintoshを使っている人の比率が依然として高いことが分かります。
       ところで、UNIXを使っている人は学科の中では非常に少ない状態ですが、今後のネットワーク社会の中でサーバ機能を担うUNIXを勉強することは、就職活動などでも重要なファクターになることでしょう。学科の中のLAN構築もUNIXの知識が無いと維持管理は難しいので、研究室でも今後は少しずつUNIXの重要性が高まると推測されます。

  3. 本日の課題の提出

    上で作成した例文を本日の課題として提出すること。そのために、例文の最初の行に自分の学生番号と氏名を入力して、さらに本文との間に1行空行を設けること。提出方法は、授業中に指示するので、その指示に従うこと。

  4. telnet操作の練習

    telnetはTELNETというプロトコルを利用したリモート端末の操作方式であり、UNIX系のOSでは標準で利用できる。また、WindowsやMacintoshにおいては、telnetのサーバになることは出来ないが、クライアントとしてtelnetを利用することは可能であるので、UNIX系のサーバにアクセスして所望の操作をそれらのPC上から行うことも可能である。

    telnetはUNIX系システムの基本的な操作がほぼ全て行なえるため、外部からのクラッキングに対抗するために自由に解放していないシステムも多く存在しており、インターネットプロバイダでもサーバにUNIX系のシステムを利用していてもtelnetによる接続は禁止している場合が多い。リモートで自由に操作できるサーバを利用したい場合には、結局自分でセキュリティのしっかりしたサーバを立ち上げて、telnetを利用する、と言うことになってしまう。

    教室の端末はNFSというファイルシステムによりどの端末からでもログインできるようになっている。試しに、kterm上で、

    telnet 172.16.1.xxx

    と自分の隣の端末のIPアドレスを入力して接続してみる。ログインアカウントを促すプロンプトが表示され、自分が操作している端末と同じようにログインできることが分かる。その後、その隣の端末に接続した状態で

    who
    ps

    等のコマンドを実行してみて自分の端末との違いを見てみよう。また、

    emacs hogehoge

    等として、新たなウィンドウ上に編集画面を立ち上げたりできる。この時の状態は、自分が座っている目の前の端末がログイン端末であるが、その時の作業ディレクトリはサーバ室のサーバにあり、起動しているemacsのプログラムは隣の端末のプログラムを利用している、という少し複雑な形態である。UNIXの特徴の一つであるネットワーク透過と言う性質を利用するとこのような利用方式が可能であるので、自分の部屋の端末からサーバ室の高性能なマシンを利用したり、自分の日本語変換辞書をひとつ用意しておけばどの場所からでも同じ辞書が利用できる、等といった利用法が可能になる。

  5. 次回の予告

    次回は電子メールをemacsの環境で利用する方法、ftpによるファイル転送などのネットワークを利用したアプリケーションの利用法について実習を行う。


    エレクトロニクスセミナーAトップページへ戻る。