エレクトロニクスセミナー 第一週(1999.10.4)


講義予定内容の紹介


端末実習

1.コンソール用タッチタイプ練習ソフト(Typist)によるタイプ練習

コンソール上(X上のKtermでも可)で、

typist

とコマンド入力しEnterキーを押すことによりタイプ練習ソフトが起動するので、自分のレベルに合わせて練習すること。

2.コマンドラインの便利な機能

2.1 シェルの操作に慣れる

ls, pwd, ps, date, cal

等のユーザコマンドを利用して端末に結果を表示させる。次に、

ls -a, ls -al, ps ax

のようにオプションを付けて同じコマンドを入力し、結果を見る。UNIX系のコマンドにはオプションや引き数をつけることにより種々の利用法が可能なものが多いので、重要なものは覚えておく必要がある。普段からプロセスやディレクトリの情報を確認する癖を付けておけば自然に覚えられる。

オプションなどが良く分からない場合は

man

コマンドが便利である。例えば

man ls

とすると、どのようなオプションがlsコマンドに用意されているか、オプションにはどのような意味があるかが分かる。なお、日本語のmanページが用意されているものについては、Xウィンドウ上のKterm等のように日本語表示が可能な環境で見る必要がある。

2.2ヒストリ機能

↑キーを押すと、最後に入力したコマンドが表示される。↑キーを押す度にその一つ前のコマンドが表示され、↓キーでは一つ後のコマンドが表示される。キー入力を間違えた時、長いコマンドを何度か打つことがある時などに利用すると便利である。ヒストリ機能には他にも便利な使い方があるが、それはまた後程説明する。

2.3補完機能

長いコマンドやファイル名の入力はTABキーによる補完を利用すると楽になる。例えば、端末のネットワークインターフェイス環境を見るために管理者が利用するコマンドは

/sbin/ifconfig

である。これは、絶対パスによる表記であり、トップディレクトリ(/)の下のsbinというディレクトリにあるifconfigというコマンドを表す。これの入力は例えば、

/sb

までタイプしてTABキーを押すと補完機能により/sbin/までが表示され、次に

ifcon

までタイプしてTABキーを押すと全て補完され/sbin/ifconfigが完成する。リターンキーを押すことによりコマンドが実行される。

TABキーを押した時点ではコマンドやディレクトリの文字列が一意に決まらない場合は、警告音だけで何も表示されないが、さらにTABキーを押すことにより候補の一覧が表示され、続けてコマンド入力ができるので、さらに何文字か入力した後で再び補完させるとコマンド入力が完了する。

2.4パイプ

UNIXのコマンド操作の特徴は小さなプログラムを複数組み合わせて処理をすることにより少ないコマンドで複雑な操作が行なえることである。例えば、

ps ax

とすると、現在の端末で動作しているプロセスが全て表示されるが、プロセスが多いので一画面には入り切らない。これを、

ps ax | less

とすると、psコマンドの出力結果を直接画面に表示するのでは無く、lessというページャプログラムの入力として渡す。その結果、lessにより一ページずつ表示されるので、スペースキーや↑キーなどにより必要な部分が画面に表示される。また、

ps ax | grep inetd

とすると、psコマンドの出力が文字列検索プログラムであるgrepに渡されるので、その引き数に指定した文字列を含む行だけを表示する。

2.5リダイレクト

ps ax > ps.txt

とすると、画面にはpsコマンドの結果が表示されないで、ps.txtというファイルが作成される。このファイルを見るには

cat ps.txt



less ps.txt

とすればよい。また、

ps >> ps.txt

のようにすると、先ほどのファイルの最後に今回のpsコマンドの結果が追加されて保存される。このように画面に表示する変わりに、特定のファイルとしてコマンドの結果を格納することをリダイレクトと呼ぶ。パイプやリダイレクトを用いると複雑な処理が一行のコマンドでできる場合が多く慣れてくると重宝する機能である。詳しいことは後日説明を行う。


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