エレクトロニクスセミナーA
2000.5.12



  1. 本日の作業内容



  2. バックグラウンド処理

    KTermやXTermなどの仮想端末ウィンドウからアプリケーションプログラムを起動する場合に、基本的にはコマンド名を入力してエンターキーを押せば、実行できる。しかし、その場合には起動したアプリケーションを終了するまで元の仮想端末を使用できない。

    コマンドの後にスペースを入れて&を入力してアプリケーションを起動した場合には、仮想端末には前節で述べたコマンドプロンプトの$マークが表示され、次のコマンド入力を待ち受ける状態になっている。このような、ある処理(通常プロセスと呼ばれる)を端末の裏側というべき位置で実行することをバックグラウンド処理と呼ぶ。(そうでない場合はフォアグラウンドという。)

    フォアグラウンドでプロセスを実行しても、新たなKtermなどのウィンドウを開けばそこでまたコマンドラインを利用可能であるが、その都度新たなウィンドウを開くのも効率が良くないので、Xを使用しているときには新規にウィンドウを開くようなアプリケーション(エディタやブラウザ、画像処理など)は&をつけてバックグラウンドで実行するような癖を付ける方が望ましい。

    (細かいことを言えば、フォアグランドのプロセスでも一度処理を止めてバックグラウンドに移すことは可能であるが、今はそれについては推奨しない。)


  3. 電子メール環境構築(仕上げ)

    前回の授業時間に行ったXEmacs + Mew + IM の環境の構築が終わっていない場合には仕上げること。前回のテキストの最後の自分宛にメールを出すテストの辺りの記述を更新したのでそれも参考にすること。なお、電子メールの送受信がうまくいかない場合に関して、今までに判明している原因のいくつかを以下に列挙しておくので送受信に失敗する場合には参考にすること。

    • Mewが起動しない

      .emacsファイルの記述に間違いがある。特に、スペースの入れ忘れが多い。Webで見る例文はスペースの感覚がつかみにくい場合があるので注意すること。また、起動に失敗した場合に、XEmacsの画面下方のミニバッファに表示されるエラーメッセージを見るとどの行に記述の間違いがあるか判明しやすいので注意してみること。

    • Mewの起動後にキー操作を受け付けない

      Mewの起動時にメールサーバにメールを読みにいくような設定を行っているのが、起動後しばらくするとミニバッファにRange (Update)という表示がされるので、そこでエンターキーを押す。メールをチェックするのならば、Checkボタンを押す。その後、POPでメールを見に行くためのパスワード入力をやはりミニバッファに要求される、というような手順になる。そこで不要なキー操作を行うと次々とエラーメッセージがミニバッファに吐き出され、自分の希望する操作が行えない。Mewの起動後はミニバッファに注意すること。

      上のような状態になった場合には、とりあえず

      C - g

      の操作により直前の作業をキャンセルし、様子を見ること。

    • Mewを起動してもボタンの絵が表示されない

      .emacsの中の

      (setq mew-icon-directory "/usr/X11R6/include/X11/pixmaps/")

      の行の記述が間違っている。

    • メールの受信ができない

      ~/.im/Configのpopサーバに関連した行の記述が間違っている。

    • メールの送信ができない

      ~/.im/Configのsmtpサーバに関する記述が間違っているか、自分のアドレスに関する行の記述が正しくない。


  4. XEmacs操作の基礎

    • 一般的な操作

      今後、この授業における電子メール操作や文章作成など大半の時間は (X)Emacsに関係している。コマンドライン操作と並んで大事な要素であるので、各種の操作に慣れておくことは必須である。「論文作成術」のテキストの第一章を注意深く読んで操作を練習すること。

      ただし、日本語入力のためのCannaの起動に関するキーコマンドはEmacsとXEmacsで異なっているので、XEmacsの場合には前回のWebテキストを参照すること。


    • Mewに関する操作

      「論文作成術」の第一章にはMewに関する説明は無いので、電子メールの利用に関する操作はここで紹介する。(前回のテキストに新規メールの作成、送信、受信に関することは説明している。)ただし、基本的にはXEmacsは各種のボタンが用意されているので、ボタンの説明とメニューを見ることにより直感的に操作できる場合が多い。

      • メールヘッダ

        新規メールを作成すると、ヘッダと呼ばれる宛先など本文ではない部分がまず一番上に表示される。To:は相手先のメールアドレスを入力する部分であり、自分のアドレスはFrom:欄に表示されている。電子メールにおいてはTo:に複数のアドレスを「,」で区切って入力することにより同時にそれらのアドレスにメールを送信することが可能である。また、To:ではなく、Cc:という機能も利用できる。これはタイプライタがビジネスの中心だった時代に、カーボン紙を挟んでもう一枚の紙にも同時に同じ文書を作成し、複製としていたカーボンコピーという名称から来ている。直接送りたい相手以外に目を通してもらいたい人などへも内容を見せておくという場合などに利用される。

        Bcc:という機能もある。こちらはブラインドカーボンコピーの意味でTo:やCc:に指定した送り先にはコピーをBcc:アドレスに送ったことが知られないようにするための物である。

      • メールを読む

        メニューバーにあるSHOWボタンにより画面に表示されているカーソル位置のメールを読むことができる。また、NextとPrevボタンにより次もしくは前のメールを読むことができる。表示されているメールの最後まで来ると、Nextボタンによりメールを読むためのウィンドウは消える。そうではなく、任意にウィンドウを消したい場合には、Fileメニューから

        Un - Split (Keep This)
        Un - Split (Keep Others)

        によりウィンドウを消す。カーソルがあるウィンドウがThisであり、そうでないウィンドウがOthersに相当する。

      • メールの整理

        たくさんのメールをやり取りするようになると、+inboxフォルダにメールがたまってくる。目的や用途別に分類整理することが必要になるが、そのためには目的のメールにカーソルをおいてo(オー)を押すことにより整理する先を聞いてくるので自分で適当な名前を付ける。新たなフォルダであればMewが確認して作成してくれる。(デフォルトではFromに従った名前のフォルダを作成しようとする。)

        分類したフォルダ間の移動はg(ジー)キーを押すことにより目的のフォルダを聞かれるので入力して移動する。このとき、シェルで利用したTABキーによる補完が利用できるので、全部を入力する必要は無く、補完を活用すると楽にできる。

      • アドレス登録

        よく使う相手先アドレスを毎回キーボードから入力するのは面倒である。メールアドレスを登録しておくことにより、より少ないキー操作でアドレスを入力できるようになる。MewではAlias(エイリアス、別名)機能を利用して行うので以下にその方法を説明する。(エディタの操作およびディレクトリやファイルの操作がある程度わかっている必要がある。)

        XEmacsで~/.im/Aliasesというファイルを開く。Openボタンを押して表示されるディレクトリモードでホームディレクトリの.imをクリックしてエンターキーを押し、下に表示されるファイルパスのところに上のようになるように入力することで開くことができる。初めての場合には当然そのようなファイルは存在しないので (New File) とミニバッファに表示される。また、ファイルのパスは自分が今いる位置を考えて適当に設定すること。

        アドレスの記述の仕方は

        エイリアス: 実際のアドレス

        という書式で好きなだけ作成する。たとえば、

        gaia: gaia@mag.shimane-u.ac.jp
        nawate: nawate@ecs.shimane-u.ac.jp

        などとして保存する。そうすると、新規メールを作成する際にTo:フィールドにgaiなどと入力してTABキーによる補完を行うと正式なアドレスであるgaia@mag.shimane-u.ac.jpが表示される。


      • 署名の作成

        メールの最後に誰からのメールかが一目でわかるように自分の名前やアドレスを記した署名を入れることが多い。絵文字により独特の署名を作成したり、自分のWWWページのURLを入れて宣伝したりするケースも多い。署名の作成は以下のようにして行う。

        XEmacsで~/.signatureというファイルを開く。初めての場合には当然新規ファイルとなる。自分の好きな署名をエディタにより作成する。署名はあまり行数が多いと無駄なトラフィックを生み出すばかりでなく、相手に対する印象も悪くなるので、4〜6行程度が無難である。

        ファイルを保存したら、メールを作成するときに本文の最後にカーソルをおいてメニューバーのMew/DraftからInsert Signatureを選択すると、カーソル位置を先頭に署名が付加される。




  5. 課題

    授業の進み具合に従って
    課題を課すので、授業後半のアナウンスに注意すること。


目次ページへ戻る