TeXを利用して論文やレポートを作成するための方法について、教科書を参考にwebによる補足を加えてこれまで進めてきた。現在までに基本的な構成、数式や表の挿入、図の挿入まで説明してきたので、今回は最後として参考文献について作業を行う。これにより一通りの論文作成技術は学習したことになる。
教科書のp.206から説明があるが、TeXの特徴は参考文献の番号付けを自動で行えることである。(これはもちろん、図や表の番号についても同様である。)方法は教科書にあげてあるとおりで、まずプリアンブルに
\usepackage{cite}
を記述しておく。本文で文献を引用するときには、自分で文献に対して一意になるように付けた名前で参照するようにし、末尾に文献一覧を加える形式である。以下に例を示す。(ここではファイル名をbib.texとしておく)
\begin{thebibliography}{99}
の{99}である。この意味は文献番号の桁数であり、99は二桁を意味する。次に、コンパイル作業も注意を要する。すなわち、
$ platex bib.tex
のようにして、コンパイル作業を行うと、結果の表示に
"LaTeX Warning: Label(s) may have changed. Return to get cross-reference right."
というメッセージがあるはずである。コンパイル自体はエラーも無く終了しており、これは別に異常ではない。文献の引用に関して、巻末の文献と本文中の引用の照らしあわせが1回目のコンパイルではできないので、一度、bib.auxというファイルに関係を記述しておき、もう一度コンパイルすることにより番号を決定する、という段取りから上のようなWarningが出てくる。もう一度、
$ platex bib.tex
とすると無事にコンパイルが終了し、bib.dviファイルが作成されているはずである。
\documentclass{jarticle}
\usepackage{cite}
\begin{document}
\begin{center}
{\Huge 文献引用例}
\end{center}
\section{はじめに}
文献を引用するときには、このように\cite{1}引用する場所に論文名(自分で付
けた名前)を書いておきます。実際の論文は最後にまとめておきます。
\section{終りに}
文献引用のまとめ。自分で適当な名前\cite{name}を付けて、ふさわしい場所で
引用する。
\begin{thebibliography}{99}
\bibitem{1}本当の文献ではないので適当な記述
\bibitem{name}名前の付け方も自分で勝手に
\end{thebibliography}
\end{document}
この作業で注意するのは、まず、ソースに関しては