TeXの学習


TeXを本格的に利用するためにはいろいろなTipsがある。卒業論文などを仕上げるためには最終的には何らかの専門書を購入する必要が生じると思うが、今はとりあえず補足的に紹介していくので、活用して欲しい。今日のテーマは余白および箇条書きとその番号付けである。

少し注意しておく必要があるのは、web上の日本語テキストなどをコピーしてTeXのソースとした場合には日本語フォントの部分がxdviで表示されない場合があることである。文字コードの違いに起因しているが、確認の意味ではemacsの方で一度表示させてみるとよくわかる。

  1. 余白

    TeXはアメリカ生まれの文書整形システムであるので、デフォルトの設定はアメリカの書式を意識して用意されている。例えば、上と左側の余白は1インチがデフォルトである。最近の日本の文書はサイズがA4で左右の余白を1-2cm取ることが多い。それにあわせるためには余白を調整しないといけない。プリアンブルと呼ばれる冒頭の部分に余白の設定を行うが、例えば以下のように行う。

    \setlength{\topmargin}{-5mm}
    \setlength{\oddsidemargin}{-5mm}
    \setlength{\textwidth}{170mm}
    \setlength{\textheight}{254mm}
    \pagestyle{empty}
    

    上記の設定では上下の余白約20mm、左右の余白約20mmでページ番号なしという形式の文書のレイアウトとなる。ただし、プリンタの種類などによって上記のレイアウトは少し変わることがあるので、実際は印刷をしてみてパラメータを再設定した方がよい。

  2. 箇条書き

    教科書のp.178に箇条書きの説明が簡単に出ている。例としてはitemize環境しか紹介されていないので、他の例についても説明しておく。活用されたし。

    • 番号付け

      \begin{enumerate}
        \item 項目1
        \item 項目2
      \end{enumerate}
      
      が基本的な使い方である。また、ネストといって入れ子の状態も作ることができる。

      \begin{enumerate}
        \item Toplevel
        Hogehoge
        \begin{enumerate}
          \item Second level
          Hugahuga
          \begin{itemize}
            \item Third level
            \item Third level2
          \end{itemize}
          \item Second level2
          \item Second level3
        \end{enumerate}
        \item Top level2
        \item Top level3
        \begin{itemize}
          \item Another second level
          \item Another second level2
          \begin{itemize}
            \item Another third level
            \item Another third level2
          \end{itemize}
        \end{itemize}
      \end{enumerate}
      

    • 題目型

      description環境を使うと、数字や記号で項目分けするのではなく題目でリスト表示できるようになる。以下に例を示す。

      \begin{description}
        \item[FIRST]First article
        \item[SECOND]Second article
        \item[THIRD]Third third third third third third third
         third third third third third third third third
         third third third third third third third third
        \begin{itemize}
          \item next level
          \item next level2
        \end{itemize}
      \end{description}
      

      どのような表現になるかは自分で確認すること。

    • ラベルの変更

      enumerate環境やitemize環境では自動的に番号や記号のラベルを用意してくれるので、自分で項目数を数えたりする必要が無く便利である。しかし、自分の好きな形式のラベルを使用したい場合もあるので、変更する方法も知っておく必要がある。以下に例を示す。

      \begin{itemize}
      \renewcommand{\labelitemi}{$\clubsuit$}
      \renewcommand{\labelitemii}{$\heartsuit$}
      \renewcommand{\labelitemiii}{*}
      \renewcommand{\labelitemiv}{○}
      \item club
      \begin{itemize}
      \item heart
      \begin{itemize}
      \item asterisc
      \begin{itemize}
      \item japanese circle font
      \end{itemize}
      \end{itemize}
      \end{itemize}
      \end{itemize}
      

      上で、\labelitemiというコマンドの最後のiが第一階層という意味で次の行のiiが第二階層である。ローマ数字なので、iiiで3番目、ivで4番目となっており、itemize環境では第4階層まで利用できる。また、指定している記号はトランプのクラブとハート、*そして○である。

      番号付けをするenumerate環境でも同様にラベルの変更が可能である。以下に例を示す。

      \begin{enumerate}
      \renewcommand{\labelenumi}{\Roman{enumi}}
      \renewcommand{\labelenumii}{(\arabic{enumii})}
      \renewcommand{\labelenumiii}{[\arabic{enumii}.\arabic{enumiii}]}
      \renewcommand{\labelenumiv}{\roman{enumiv}.}
      \item club
      \begin{enumerate}
      \item heart
      \begin{enumerate}
      \item asterisc
      \begin{enumerate}
      \item japanese circle font
      \end{enumerate}
      \end{enumerate}
      \end{enumerate}
      \end{enumerate}
      

      上で利用しているのは、ローマ数字やアラビア数字、それにカッコをつけるかどうかなどのフォーマットである。

      このように自分の好きなラベルで箇条書きができるが、これを応用することにより章や、節、など\section環境においても自分の好きなラベルを使用できる。これについては後ほど説明する予定である。