コンピュータセミナー
2001.6.8



  1. 本日の作業内容

    1. 電子メール説明補足
    2. World Wide Web
      1. Web概略
      2. URL
      3. Netscape設定
      4. HTML入門
    3. 今日の実習
    4. 本日の復習課題
    5. 次週の内容


  2. 電子メール説明補足

    前回の授業で説明が抜けていた部分について補足しておく。一つ目は署名のしきり線に関するもので、Sylpheedにおいて、新規にメールを作成するとでてくる−−についてである。その記号はUNIX系のMUAにおいて慣習的に使用されていた署名の始まりを意味する区切り線である。メールはウィンドウの一番上から書き始め、本文が終わった後に署名を付け加える。本文と署名を分ける区切りが--である。これは、Sylpheedの「設定」メニューの「全般の設定」にある「作成」タブを選択すると「署名の区切り」と言う項目があるので、そこで好きな記号や何も付けないような設定が出来る。今後は、本文は区切り線よりも上、署名は下に付けるという「常識」を守って、経験豊かな人から笑われないようにしよう。

    次は、メッセージの返信時にサブジェクトに自動的に加えられるRe:についてである。一見何かの略に見えるが、これは辞書にも出ているれっきとした単語である。元はラテン語であり「〜に関して」という意味である。商売などのビジネスにおいて、例えば「お問い合わせの件について」などのように書簡の見出として使用する習慣が電子メールに取り込まれたものである。ただし、ここで実装する際に問題が生じ、現在でも混乱の元となっている。

    元々のReは初めて相手に書簡を送る際にも要件を説明するために用いられていた。ところが、電子メールではヘッダのフィールドとしてより一般的に使用されている「サブジェクト」(件名)という用語が用いられた。そこで、いったん誰かに送られた後、それに返信する際にどのメールへの返信かが分かるように「〜のメールに関して」という意味でReが用いられることになった。現在、ほとんどのMUAが返信の際に自動的にReを付加するようになっているのはその理由がきっかけである。

    ところが、日本において、ビジネス英語とは無縁の人々による誤解から混乱が生じてしまった。電子メールが一般化する前はパソコン通信というネットワークが利用されていたが、その時に、あるパソコン通信においてReをResponseという英語の略だと勘違いしたグループがあり、相手に対する「返信」の意味で「レスポンス」という言葉を使うようになった。そのため、返信することを「レス」と言ったり、「レスを付ける」などと言うような習慣が出来てしまった。これは明らかに誤解から始まったことであり、間違いである。誰かが「レス」などと言っていたらそれは間違った用法であることを説明してあげよう。一応、メールで返信することをReply(リプライ)というが、Reはその略ではない。

    しかし、さらに悪いことに、一部のWindows用MUAを開発する人間がレスと言うものを誤解してしまったために、メールの返信の際に、一度目はReであるが、二度目の返信にはRe<2>、三度目がRe<3>などと付けてしまうようなものを作ってしまった。本来のReの意味を知っていればとうてい考えられないことである。また、Re: Re: Re:のように果てしなく付け足していくMUAも存在する。そのようなMUAをみたら、開発者が誤解していることが明白なので、使用には注意が必要である。今後は気を付けよう。

    最後はspamメールについてである。今後、電子メールを使用していくにつれて望まないメールがたくさん自分宛に届くようになってくるだろう。種々の方法で、悪徳業者がメールアドレスを収集し利用しているし、パターンが決まっている場合であればやみくもに組み合わせたアドレスで送信してくる場合もある。そのようなメールのことをspamメールと呼ぶが、それが届いたら潔くあきらめよう。決して、返信してはいけない。配送をやめたい場合はどこそこにメールを出してくれ、というような記述がある場合が多いが、そこにメールを出すとそのメールアドレスが実際に使用しているものであることがばれてしまうので、さらに悪い結果を引き起こす。黙って、ゴミ箱に捨てて無視するしかない。


  3. World Wide Web

    教科書p.115

    今や、説明の必要もないくらいに当たり前になったWWWであるが、元は、スイスにある素粒子研究所の研究員が論文などの情報検索のために生み出したハイパーリンク方式が起源である。データベースの一部をリンク形式にしておき、マウスでクリックするとその情報の表示を始めるが、その情報自体はネットワーク上の何処にあっても構わないと言う、分散型ネットワークを前提とした方式が新しい試みであった。

    その方式に着目したのがNCSA(合衆国イリノイ大学スーパーコンピュータ研究所)の学生達で、CERNが始めたHTMLをどんどん拡張していき、画像が扱えるようになってきたところで、インターネットの商業利用開始の時期と重なり爆発的に普及した。(NCSAの学生の一人はその後Netscape社の副社長になりNetscapeの発展をもたらしたが、Microsoftの反撃にあい、Netscape社はAOLの傘下に入ることとなった。)

    何はともあれ、ハイパーリンクという新しい表現方法がWindows95の普及時に登場し、インターネットの商業利用と重なったことは偶然とは言え、今日のネットワーク社会の発展をもたらした。ところで、「インターネット」と言う言葉は「〜の間」というinterとネットワークを合成した造語であり、本来の意味はネットワーク間の連結というような意味である。各地にあるネットワークを結び、世界的に広がったネットワークを形成していることからそのような呼び名になったが、世間ではWWWのことをインターネットと呼ぶ悪しき習慣が根付きつつある。この授業で学習した皆さんはそのような用語の誤用をしないようにしよう。

    ちなみに、何も知らないくせにインターネットがどうこうなどと知ったかぶりする人間が少し前には結構いたので、そのような人たちが使っているのは「イソターネット」と呼ばれていたことがある。同じように、「マノレチメディア」などという言葉もあった。


    1. Web概略

      教科書p.145

      wwwデータを見るためにはブラウザと呼ばれるアプリケーション(例えばNetscape)がネットワーク上のどこかにあるwebサーバに対して、ページ内容を要求することから始まる。webサーバは基本的には要求されたページデータ(テキストファイル)を送り出すだけで、大した仕事はしない。現在は、サーバ側でプログラムを動かしたりする機構もあるので、少し複雑にはなりつつあるが、元々はページのデータのやり取りだけが行われていた。そのやり取りに使用されるプロトコルはHTTPと言い、Hyper Text Transfer Protocolの略である。

    2. URL

      教科書p.146

      教科書はURIという言葉を基本として説明しているが、元々はURLの方が多く使用されてきた。URLとはUnified Resource Locatorの略で、統一された表式によるデータの場所表現である。すなわち、

      http://www.ecs.shimane-u.ac.jp/

      のように、プロトコル、ドメイン名(、データ保管場所)の組み合わせでページデータを表現する。他にもftp、telnetなどのプロトコルも使用可能である。表現方式は教科書に詳しく書いてあるので、参考にすること。

    3. Netscape設定

      教科書p.150

      これまで何気なく使ってきたNetscapeであるが、それなりに設定を行えば、より使いやすい環境にも出来る。Vineに標準で付属してきているものは日本語環境についてはかなり整っているが、それでもフォントなどを好みのものに変更するとより見やすいものとなるかもしれない。各人の好みに合わせて設定すること。ただし、以下に挙げるのは是非行った方が良いものである。

      スタートページはNetscapeを起動したときに最初に読み始めるページであるが、毎回そうなると鬱陶しいので通常は何も表示しない状態にしておく方が使いやすい。「編集」メニューの「設定」から「Navigator」を選択し、「ブラウザの開始時」の項目で「空白ページ」をクリックして、左下の「確認」ボタンをクリックしておけば次回からは起動時にはページにアクセスしないようになる。

      また、画面の表示領域を有効に使おうとすると、「表示」メニューから「ユーザ設定ツールバー」はオフにしておく方が良いかもしれない。

      教科書にあることで一つ注意しないといけないのは、p.152のIdentityにあるメールアドレスの設定である。できればこの欄は空欄もしくは、でたらめなアドレスを入れておく方がよい。なぜならば、webページによっては自動的にこの部分の情報を手に入れて、最初に述べたようなspamメールを送るためのアドレスリストに登録するものがあるからである。そのようなページを訪問すると、それ以後、spamメールが送られてくるので、メールアドレスがわからないようにしておく方が無難である。

    4. HTML入門

      教科書p.159

      HTMLとはHyper Text Markup Language の略であり、マークアップランゲージと呼ばれる言語の一つである。マークアップとは平文のテキストファイルに各種の制御コード(タグ)を埋め込むタイプのものであり、SGMLやXML、TeXなど各方面で使用されている。ここでは、HTMLを使用して自分でページをデザインすることを学習する。今回は入門として、教科書の記述を良く読むことと

      練習用ページへのリンク

      のページのソースを見てHTMLの概略をつかむことである。基本は教科書のp.167にの枠内にあるような構造をしていれば、中身は何とか表示できる。後はどのような構成にするかであり、どのようなページでも良いので、「表示」メニューから「ページのソース」を選択してみると良い。どのような方法でそのページが記述されているか調べてみよう。知っておくべきことは、属性(アトリビュート)に関することで、普通に<tag>のようになっている括弧の中に別に情報を加える方法である。たとえば、ページの中身は<body>と</body>の間と定義されているが、ページ全体の背景色や文字の色はその<body>タグの属性として記述する。そのほかにも表や改行、水平線などタグにアトリビュートを指定できるものがたくさんある。(教科書p.170やp.171)

      なお、文字やバックグラウンドの色に関して、コンピュータ上で色を指定する16進コードと色の名前を指定する方式の二つがある。ここで、16進コードとは16進数で表した数値であり、8ビット(2の8乗)である256を二桁で表示するものである。0(ゼロ)から255までRGB(赤、緑、青)の光の三原色の強さを指定する方式になっており、数値が大きいほど明るくなる。慣習的に#を頭に付けて表す。

      また、教科書で紹介されているEmacsからNetscapeを起動するキー操作の

       C - c C - v

      は教室の環境では設定されていないので注意すること。ブラウザで見るには、「場所」ウィンドウにファイルの所在をp.161の例のように正確に入力するか、「ファイル」メニューの「ページを開く」を選択して「ファイルを選択」をクリックし、ディレクトリとファイルの一覧の中から選択する。


  4. 今日の実習

    Netscapeの設定並びにHTMLのタグの学習をしてみる。

  5. 本日の復習課題

    授業の終わり頃に次回までに提出する課題を発表するのでアナウンスに注意すること。また、発表されたら課題を表示するためには、一度このページを再読み込みする必要があるのでNetscapeのボタンをクリックする。そうしないと、課題のページは表示されない。

  6. 次週の内容

    引き続きHTMLのタグの練習を行う。表や箇条書き、種々の表現方法などについて詳しい実習を行う。また、自分用のwebページ開設希望調査を行う予定である。


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