コンピュータセミナー
2002.6.28


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  1. 本日の作業内容

  2. 出席確認

    最初の説明が終わったら出席確認です.パソコンの時計が合っているかを確認したら出席のメールを出してください.今 回の件名は

    seminar 6-28 attend s0240**

    です.それ以外は前回と同じです.

    なお,入力ミスがあると出席として認 められないことになりますので,慎重に行ってください.文 字はすべて1バイト文字 (半角英数字) です.途中に入るスペースは一度に一個だけと してください.スペースは全部で3個です.また,**の部分は自分の学生番号の下二桁 です.他学科の人はそれなりに修正して下さい.

  3. 表計算

    「デスクトップツール」教科書 p.164

    ビジネスソフトウェアには「三種の神器」とも目される利用頻度の高いものがあ ります.すなわち,ワードプロセッサ,表計算,プレゼンテーションに関するも ので,これらを「オフィスツール」と呼ぶこともあります.企業の業務,主とし て,営業や総務などの事務部門でパソコン技術を学んでいない人のために,教育 コストを削減するために一つのソフトウェアに限定して社内で使用する体制が取 られたために,寡占化が進みマイクロソフトの「オフィス」が現在デファクトス タンダードとなっていますが,特徴を活かして生き残りを図る商用ソフトウェア も多数あり,様々なものを試すことができます.

    一方,GNUに代表されるオープンソースやフリーウェアによる環境を前提として いるLinuxはもちろんUNIXにおいては,オフィスツールは余り充実していません でした.使用目的が科学技術計算であったり,ネットワークサーバであったりし たこともありますが,プログラミングの能力がある人がユーザであったため, awkなどの言語とTeXを組み合わせることにより,十分にオフィス用途にも対応で きていたためです.

    しかし,Linuxはビジネス用のデスクトップ環境としての普及も念頭にあったた め,オフィスツールの充実は必要度の高いものでした.そこで,GNOMEやKDEのよ うな統合デスクトップ環境の開発を行っているグループがフリーでオフィスツー ルの開発を行っているのですが,そこに大きな期待がかかっています.また, SUNがついに発売したマイクロソフトオフィス互換のStarSuiteはLinuxだけでな くWindows上でも動作し,1パックで5台分のライセンスがついて安価であるなど の特徴から注目されていますし,それより先にJustSystemがJAVAを利用した統合 オフィスツールであるJustArksを発売しています.他にも市販のツールがいくつ かあり,今後の展開が期待されます.

    今回紹介するのは,GNOMEプロジェクトの中の表計算ソフトであるGnumericです. 教室の環境では日本語の利用ができないなどまだ不十分なものですが,最近のバー ジョンでは開発が進められかなり良くなっているようです.ここでは,表計算と いう概念と操作の基本について紹介します.

    • 起動

      GNOMEメニューから「アプリケーション」を選択するとGnumericがありますし, ターミナルから

      $ gnumeric &

      でも起動できます.起動すると,図1に示すウィンドウが出てきます.

      図1 Gnumericデフォルト画面

      ウィンドウやメニューの詳細については,デスクトップツール教科書のp.167か ら詳しく紹介されているので,そちらを参照してください.これまでこのような メニューの使用を前提としているものはNetscapeやgEdit程度しか使用していま せんが,メニューの構成は基本的に同じような順番で並んでいます.中身も,統 一した操作環境で利用できるようにGNOMEデスクトップと融合しているので,だ いたいの感覚はつかめるでしょう.操作が分からない場合や使用できるコマンド を調べる場合には「ヘルプ」メニューからマニュアルを参照できますが,英語で す.このような英語マニュアルは「生きた英語」を学習する貴重な機会なので, 拒否反応を示さず利用する方が後々のためです.

    • データの作成

      教科書p.175

      教科書を見ながら表の作成を行ってみてください.

    • 表の保存

      教科書p.179

      作成した表を保存する際には種々のフォーマットが選択できます.LaTeX2e形式 などもありますから,TeXで表を作成する際にGnumericを使用して,横着をする ことも可能です.また,「ファイル形式」のリストの先頭にあるCSVは Comma Separated Valueの略で,各セルに納められているデータをカンマを区切り文字 としてテキスト形式で保存するものです.そうすると,アプリケーションに依存 しないでデータの受け渡しが可能になるので重宝するものです.試しにデータを test.csv などと名前をつけてCSV形式で保存してみてください.cat less などのコマンドを利用 してターミナルで中身を見るとカンマで区切られているのが分かります.

      CSV形式のファイルをGnumericで開くときには,通常の「開く」メニューでは出 来ません.「ファイル」の中の「挿入」を選択し,図2に示すダイアローグから 「CSVの読み込み」を選択してください.そうすると,シートにデータが挿入さ れます.

      図2 「挿入」メニューによる読込の際のダイアローグウィンドウ

    • 削除

      セルにあるデータを消去する場合,Delキーにより行う場合は問題ないですが, 「編集」メニューの「削除」で行おうとすると,図3のようなダイアローグが表示されます.

      図3 データを消去する際のダイアローグ

      これはそのセルごと削除するために,セルを詰めていく必要があるので表示され るものです.すなわち,そのセルがなくなったあと,右側から詰めていくのか, 下から詰めていくのか,さらには,行ごと,列ごと消去するのかという選択です. たくさんのデータがある際には慎重に行わないとデータを破壊する恐れがありま すので,注意してください.

    • 便利な機能

      行や列にある規則にしたがった数字や文字を入れるための便利な機能があります. たとえば,どこかのセルに1を入力してみてください.次に,そのセルの枠の右 下の角にある小さな四角にマウスカーソルを置き,下もしくは右にドラッグして みます.すると,ドラッグした範囲には連続する整数が自動で入力されます.奇 数や偶数のみを入力したければ,2つのセルにあらかじめ1と3や2と4などを入れ ておき,同様のドラッグを行えば可能です.

      他にも,a1のように入力した後で同様の作業を行ったり,1)のように入力したあ とで試してみたりしてください.また,偶数や奇数だけでなく等差数列であれば 可能ですので,そちらも試してみてください.

    • 関数

      「ヘルプ」メニューのGnumeric function referenceを開くと,使用可能な関数 がその説明とともに紹介されています.この関数はマイクロソフトのExcelと互 換ですので,Excelを使ったことがあれば分かると思います.数値計算だけでな く論理演算も可能ですので,かなり複雑な処理も可能になりますが,ここでは, 次の例を紹介するだけとします.

      四則演算と総和を取る sum は教科書で紹介されています.平均を取り たければそのものズバリの average と言う関数が用意されています.統計で良く 利用されるのは標準偏差です.関数名は stdev ですので,試してみる と良いでしょう.また,標準偏差は分散の平方根ですが,分散は var で計算 できます.

    • データ形式

      デフォルトでは数値は右揃え,文字は左揃えで表示されます.また,日付などは 2002/6/28 のように入力しても ######## と表示さ れてしまいます.「フォーマット」メニューから「セル」を選択して出 てくる図4のダイアローグで左の欄から「日付」を選び,右の形式から yyyy/mmm/d を選択するとちゃんと表示されます.

      図4 日付フォーマットの選択肢一覧ダイアローグ

    • AWKによる表計算

      CSVのようなテキスト形式のデータがあればUNIXには標準で備わっているAWKとい う言語により表計算的な作業は可能です.詳しくは,別ページを参照してくださ い.

  4. 本日の実習

    セルに適当な数値を入力して総和や平均値などを求める作業を行って,表計算の 概念を学習してください.

  5. 宿題

    授業の終りに宿題の案内(AクラスBクラス別々)を出しますので,アナウンスがあれば指示に従ってくだ さい.


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