コンピュータセミナー
2002.7.12


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  1. 本日の作業内容

  2. 評価基準の説明

    この授業の成績評価方法はシラバスに記載されている通り,宿題と実技試験の総 合判断となります.現在想定しているものは別ページの通りです.

  3. 実技試験について

    7月26日は実技試験です.試験は,座席指定はしませんが,使用可能な端末の配 置は制限しますので,勝手に起動しないでください.また,教科書,参考書の持 ち込みが可能です.

  4. 無線LANについて

    学科では,学生さんが学内および大学周辺でノートパソコンを利用する際に,学 科LANに接続して自分のファイルやデータを参照できるよう,学科独自の無線LAN システムを構築しています.興味のある人は申し出てください.

  5. 学生用WWWサーバについて

    この授業でHTMLについて学習しましたが,自分でWebページを開設したい という人のためにサーバを用意しています.こちらも興味のある人は申 し出てください.

  6. 出席確認

    最初の説明が終わったら出席確認です.パソコンの時計が合っているかを確認したら出席のメールを出してください.今 回の件名は

    seminar 7-12 attend s0240**

    です.それ以外は前回と同じです.

    なお,入力ミスがあると出席として認 められないことになりますので,慎重に行ってください.文 字はすべて1バイト文字 (半角英数字) です.途中に入るスペースは一度に一個だけと してください.スペースは全部で3個です.また,**の部分は自分の学生番号の下二桁 です.他学科の人はそれなりに修正して下さい.

  7. The Gimp

    「デスクトップツール」教科書 p.246

    グラフィックアプリケーションには「レタッチ」と言う分野があります.文章や 絵や写真に手を入れる,修正する,という意味です.この分野はAdobe社の PhotoShopという商用ソフトの独擅場でした.豊富な機能と商業印刷に耐えられ る加工能力で,多くの雑誌の原稿作成で使用されるとともに,イメージスキャナ にバンドルされる機能限定版が普及したことから個人ユースでも多く用いられて います.

    基本的にオープンソースでしかも無料のアプリケーションを提供するLinuxでは, GNUという団体が管理するソースを多く取り込んでいます.教室のデスクトップ 環境であるGNOMEのGもGNUのGな訳ですが,そのGNUがPhotoShopに強烈な 対抗意識を持って開発を進めているのが,今日紹介するThe Gimpです.Gで始ま るアプリケーションの数が多いのは,このようにGNUの提供するソースが多く使 用されているからです.

    Gimpには機能がたくさんありすぎてとても授業で紹介しきれるものではありませ んが,今後,コンピュータを扱う上で必要な画像処理知識の基本的な部分につい て少し実習しましょう.なお,最近はGNUプロジェクトのWindowsへの普及も目覚 ましいものがあり,GimpもWindows上で動作するものが登場しています.覚えて おいて損はないでしょう.

    • 起動

      GNOMEメニューの「グラフィック」に登録されていますので,起動はそこから行 えます.また,当然,ターミナルからも起動が可能です.コマンド名は gimp です.

      教科書には日本語を使用するために kinput2 を起動するように書いて ありますが,教室の環境では不要です.

      起動が始まると,まず,「インストール」作業を行うかどうかを聞いてくるダイ アローグが現れますので,そこは「インストール」をクリックしてください.こ の作業は2度目からは不要です.インストールが始まると進行状況を示すバーグ ラフが作業状況を知らせてくれます.インストール完了により図1に示すような メニューウィンドウが現れます.

      図1 メニューウィンドウ

      メニューボタンの絵柄を見るとペンや筆などの描画ツールやTマークのテキスト 入力機能があり,自分で絵を描く ことが可能であることが分かりますが,ここでは加工の方の機能について実習し てみましょう.

    • サンプル画像

      素材となる絵として次のようなものを用意しました.お好きなものをお使い下さ い.

      送風機で激しく踊る
      風船の龍
      JR東日本特急スーパーひたち 1998年3月20日の夕食

      画像を右クリックして出てくるメニューの中で画像を保存を選択することにより ハードディスクに保存できます.

    • 画像を開く

      画像をダウンロードしたらGimpで開きましょう.ファイルメニューの「開く」に より現れるダイアローグで画像を指定して開きます.画像は,メニューウィンド ウとは別のウィンドウとして現れます.以後は,画像の方を右クリックすること により画像上でメニューを表示させることができますので,その操作になれた方 が早く楽に出来るようになります.

    • 「画像」メニュー

      右クリックして出てくる「画像」メニューでたくさんのことが行えます.以下に あるものをいくつか試してみましょう.なお,試したあとで,「編集」メニュー の「アンドゥ」を選択すると,変更前に戻すことができます.適宜使用してくだ さい.

      1. モード

        カラー画像をグレースケールに変更可能です.ただし,いったん色情報を 破棄して別の操作を行うと,元のカラー画像には戻せません.カラー画像は情報 量が多いので,モノクロプリンターで出力することが分かっている書類などには グレースケールに変更してコントラストなどを調整してから用いるのが良いでしょ う.

      2. 「色」メニューの中にもたくさんの項目がありますが,「自動」はお手軽修正を 実現してくれるツールです.「色強調」では元の画像の各色を強調することによ り,明るさが足りなかったりくっきりしていない画像を強調することができます. また,「コントラスト伸長」では色を強調するのではなくコントラストにより画 像をくっきり見せるようになります.

      3. バランス

        「カラーバランス」の項目ではCMYの三色のバランスを変更して色調を変えるこ とができます.

      4. レベル

        「レベル」の項目ではカラーバランスと同じようにスライドバーで明るさのレベ ルを全体もしくは三原色それぞれで調整できます.全体を白っぽくしたり暗くし たり,特定の色を薄くしたりなどの効果が得られます.

      5. 拡大縮小

        画像のサイズを変更します.その際にピクセル数だけでなく,解像度の変更も可 能です.Webページのようにネットワーク上を転送することを前提とした画像で はネットワークに負荷をかけないようにデータ量を縮小しておくことがよくあり ます.その際に,画像のサイズを小さくしたり,解像度を低くしたりして対応で きます.

    • 道具

      「道具」メニューには「選択ツール」があり,矩形や円形,もしくは,自由な形 で領域を選択することができます.選択した領域はそのままマウスで移動させる ことができます.ビットマップという各ピクセルごとの情報ですので前回紹介し た「ペイント」系ツールと同じ動作となります.

      「ペイントツール」では選択した領域にペンや筆で線を書いたり色を塗ったりす ることが可能です.色についてはメインメニューの方で選択可能です.

      「スポイト」ではマウスカーソルを置いた位置の色情報を抽出することが可能で す.化学の実験で使用するスポイトと同じように,色情報を吸い出すことからこ のような名前になっています.

    • フィルタ

      「フィルタ」の項目はとにかく試してみるのが一番です.すりガラス越しに見え るような画像や布キャンバス上に描いたように見える画像などに加工してくれま す.項目が多すぎてすべてを使うことは早々無いですが,機能として知っておく といざというときに助かります.

    • ロゴの作成

      自分の名前をかっこ良く飾る機能を試してみましょう.今度は新たにウィンドウ を作りますが,その際にメインメニューから「拡張」「Script-Fu」「ロゴ」と 選んでいき,その次にたくさん出てくるメニューは適当なものを名前から推測し て選んでみてください.ここでは,「Cool Metal」を選んでみます.

      1. 名前の入力

        図2のようなウィンドウが現れています.一番上の「Text String」が表示する文 字列です.ここに自分の名前を入れましょう.

      2. 文字種の選択

        フォントサイズはとりあえずデフォルトの100のままとし,フォントの種類を選 択します.ここでは図3のような画面が表示されます.

        図3 フォント選択画面

        フォントには種類がたくさんありどれにしようか迷うところですが,とりあえず 日本語を使用するのなら,gothicやminchoのような日本語フォントが良いでしょ う.見た目を言うのなら英文フォントの方がかっこいいものが多いので,ローマ 字でロゴを作成するのも悪くありません.

      3. グラデーションや背景の色も指定可能ですが,とりあえずデフォルトのままにし ておきましょう.

      4. 表示

        設定が完了し,「OK」をクリックすると画像を作る作業が始まります.始めてつ くる場合にはフォントを探したり調整したりでちょっと時間がかかるかもしれま せんが,メッセージ欄に次々と状態が表示され,処理が終了すると画面にロゴが 出てきます.今の場合は図4のようになりました.

        図4 ロゴ完成図

    • その他

      最初に言及しているように,機能が豊富すぎてとても説明しきれません.必要に 応じて自分で使用するしかありませんが,一般の人がこのような画像処理を行う のは通常,写真の加工やWebページに載せる図や文字の加工です.皆さんも早く そのようなページを立ち上げられるようになってください.

  8. ImageMagick

    ImageMagickとはターミナルでコマンドラインで使用する画像変換ツールです. いちいちウィンドウを立ち上げたりアプリケーションを起動すること無く画像変 換ができるので,コマンド操作になれた人には大変重宝するツールです.ターミ ナルで使用しますが,imagemagick のようなコマンドはなく,次の3つ を使って作業を行います.

    • display

      $ display hoge.jpeg &

      のように使います.画像を画面に表示させます.画像のどこかをクリックしたら メニューが現れますので,あとはメニューにしたがって作業が行えます.

    • convert

      これがターミナルで行う操作の基本コマンドです.次のようにして行います.例 えば,カレントディレクトリに hoge.eps と言うファイルがあるとし ます.EPS形式は ee コマンドなどを利用して手軽に表示と言うわけに は行かないので,JPEG形式に変更するとします.コマンドは,

      $ convert hoge.eps hoge.jpeg

      のようにコピーコマンドと同じ感覚で使えます.拡張子で自分の欲しい形式を指 定すればそのフォーマットに変換されます.

    • mogrify

      これが最も重宝するImageMagickの神髄です.複数の画像ファイルを一斉に変更 できます.例えば,

      $ mogrify -format jpeg *.eps

      のようにすると,カレントディレクトリにあるEPS形式の画像がすべて拡張子以 前が同じ名前 を持つJPEG形式画像に変換されます.自分で写真管理などしているといつのまに か大量のファイルがたまってしまいます.そのようなときに一斉に形式変更でき るのはありがたい機能です.

  • 本日の実習

    上記のグラフィックツールを使って作業をしてください.

  • 宿題

    授業の終りに宿題の案内(AクラスBクラス別々)を出しますので,アナウンスがあれば指示に従ってくだ さい.


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