無線LAN



島根大学
総合理工学部 電子制御システム工学科
縄手 雅彦

nawate@ecs.shimane-u.ac.jp
http://www.ecs.shimane-u.ac.jp/~nawate



(page 1)


はじめに

無線LANとは? 2.4GHz帯小電力データ通信システムのこと
1999.9.17
「2.4GHz帯小電力データ通信システムの
高度化に関する規定の整備」の発表

1999.11.8
郵政省令76、77号の発令


(page 2)


新制度のポイント
990917j60201.gif
総務省郵政事業庁のページhttp://www.mpt.go.jp/pressrelease/japanese/denki/990917j602.htmlより引用。


(page 3)


省令後の変化



が行われ、本格的な普及を迎える


ブリッジタイプ -- 2点間の接続
ステーションタイプ -- 1対多接続
(屋内用と屋外用)


(page 4)


電波について

電波とは?

通信に利用する電磁波
周波数が3kHzから3THzまでのもの(電波法)
wavelength.JPG


(page 5)


電磁波の歴史

電磁波とは?
電場と磁場の相互の誘導により伝搬する場のゆがみ

電磁気学の理論からMaxwellが予測(1864)
Hertzが実証(1888)
Marconiが初めて無線通信に成功(1896)

おまけ、Bellによる電話機の発明(1876)


(page 6)


電波の発生

発振回路
アンテナによる放射

電波と呼ばれるものの発生には電子の物理的な運動が利用される

より周波数の高い電磁波の場合は、電子の状態遷移によって発生
例外はγ線(原子核の状態遷移)

偏波面によるアンテナの形状の違い
八木アンテナ、ループアンテナ 地上波テレビ放送 直線偏波
パラボラアンテナ 衛星放送 円偏波
(偏波面の回転方向、日本右回り、韓国左回り)

(page 7)


移動体通信用の周波数

種々の制約がある移動体通信には以下の周波数が利用される
adequet.JPG




(page 8)


通信について

無線通信とは?

必要な信号を搬送波と呼ばれる電波に乗せて伝送すること

信号を搬送波に乗せることを変調、元に戻すことを復調という
AM.JPG
振幅変調の例
FM.JPG
周波数変調の例


(page 9)


デジタル信号の変調方式
PSK.JPG
位相変調に相当するデジタル変調方式
Phase Shift Keying (PSK)

より高い伝送量を確保するために
Differentially encoded PSK (DPSK)
Quadrature PSK (QPSK)


(page 10)


帯域幅

搬送波に対して余分な周波数の信号が重なるために、「帯域幅」が存在する

通常の放送、通信は「狭帯域変調方式」が使用される
(もとの信号の周波数の数倍以内)

多重通信に対する割り当てとして周波数分割、時間分割の両方式が
利用されている


FDMA: Frequency Division Multiple Access
TDMA: Time Division Multiple Access (デジタル方式専用)


(page 11)


スペクトラム拡散方式

通信において重要な要素

移動体通信や室内無線LANなどでは避けられない障害

それに対する解答が「スペクトラム拡散」
通常では考えられないくらい広い帯域を使用して通信を行う

(page 12)


送受信のイメージ

通常の変調作業を行った後に拡散変調と呼ばれる広帯域化を行う。
PN(Pseudo random Noise) と呼ばれるランダムに見える信号をかけあわせて、周
波数を拡散
send.JPG

受信時には再びPN系列をかけあわせる
receive.JPG


(page 13)


簡単な信号理論

なぜ、ランダムな信号をかけあわせるか?

本来の信号(ベースバンド)を a(t) とし、PN系列を c(t) とする。
送信される信号 x(t) は

x(t) = a(t)c(t)

であり、伝送路での損失を無視すると受信時の入力も x(t) となる。
受信時に再\びPN系列と積算するので、再生信号 y(t) は

y(t) = x(t)c(t) = a(t){c(t)}^2

となる。

ここで、送受信時のPN系列が全く同一であれば

{c(t)}^2 = 1

であるので、y(t) = a(t) が取り出せる。
また、途中で干渉波が混入した場合には干渉波はPN系列によって拡散さ
れるので干渉波の電力密度が低下する。

(page 14)


スペクトラム拡散のイメージ

先程の過程を図で示すと以下のようになる
flow.JPG


(page 15)


元の信号を取り出すためには?

PN系列が送受信の両側で全く同じでないといけない
-> 本当にランダムな信号は利用できない

同時に利用している通信間で同じ系列が発生すると誤りになる
-> 相互相関性を0にすることはできないので、
同時使用数に制限がかかる

携帯電話の場合にはコード分割多重化により同時通話数を確保
Code Division Multiple Access
CDMA
(page 16)


スペクトラム拡散の歴史

レーダにおけるチャープ信号が最初
雑音を重畳させる方式は主に軍事目的で通信の秘匿性の向上に利用
音声信号を帯域分割、ランダムに組み替え、雑音重畳
信号のランダム系列はディスクに引っかき傷をつけて複製し送受信側で保有
測距用の通信衛星 Navstar で用いた方式 -> GPS

GPS
1.2GHzと1.5GHzの二波を利用
ランダム系列としてC/AコードとPコード(軍事用)を使用

軍事用から民生用への転換
IPと同じ
(page 17)


無線LANの規格

IEEE802.11
Instittute of Electrical and Electronics Engineers
米国電気・電子技術者協会

802グループ 1980.2発足
LAN/WAN担当
802.3 Ethernet 担当

802.11
1997.6 発足
2Mbpsまでの通信に関して物理層を標準化
赤外線、直接拡散方式(DS-SS)、周波数ホッピング方式(FH-SS)
後ろの二つが2.4GHz帯 (ISMバンド) を使用

802.11a、802.11b
1999.9 制定
通信速度を11Mbpsまで上げる
帯域拡大
11aは5GHz帯、11bがISMバンドに関する規約


(page 18)


最近のIEEEグループ


802.13 欠番

802.15
2000.1.25に 802.11 から分離した最新のグループ
Wireless Personal Area Networks (WPANs)
2.4GHz帯のFHSS使用
Bluetooth の検討部会

(page 19)


ISMバンド

Industrial, Scientific, Medical の略
郵政省告示257号、無線設備規則第65条
2450MHz±50MHz
電界強度 規定無し

日本において周波数帯域が狭かった理由
スペクトラム拡散方式は電波のモニタが困難であり、
電波監理局にとって都合が悪いため


(page 20)


物理層について

OSI.JPG


(page 21)


メルコの無線LANシステムについて

商品構成
ビル間通信用ブリッジ
屋内接続用ステーション
PCIカード型受信装置
PCMCIA受信装置
USB受信装置

方式
DS-SS

中身
Lucent Technology 社製

各社とも中身はアメリカ製
日本では機種別の個別認定になるため開発が困難
--> アメリカの独擅場


(page 22)


利用周波数

チャンネル構成
channel.JPG

14チャネルあっても実際に干渉なしで利用できるのはその中の4つまで
また、PN系列の分離特性から一つのチャネルを利用できる端末は
最高で20程度まで(実際は10という話もある)


(page 23)


あとは実演!




(page 24)

講義一覧へ戻る

] nawate@ecs.shimane-u.ac.jp