=土屋教授が応用物理学会優秀論文賞を受賞

 
土屋敏章教授が2016年度の応用物理学会優秀論文賞を受賞しました.

 応用物理学会優秀論文賞表彰年度の前々年と前年(今回は2014年と2015年)に,機関誌『応用物理』,または『Japanese Journal of Applied Physics』,『Applied Physics Express』に発表された論文を対象とし,応用物理学の進歩と向上に多大な貢献をなした優秀な原著論文に対して授与されます.第38回となる今年度は7件の論文が優秀論文賞として選ばれました.
土屋教授らの受賞論文は下記のように2015年に発表されたものです.授賞式は913日に応用物理学会秋季学術講演会(朱鷺メッセ:新潟コンベンションセンター)で行われました.また,受賞記念講演が914日に行われました.

受賞者:土屋敏章(島根大学),小野行徳(富山大学)
論文タイトル:
Charge pumping current from single Si/SiO2 interface traps: Direct observation of Pb centers and fundamental trap-counting by the charge pumping method
著者:Toshiaki Tsuchiya1 and Yukinori Ono2
受賞者所属:1Interdisciplinary Graduate School of Science and Engineering, Shimane University, 2Faculty of Engineering, University of Toyama
掲載号:Jpn. J. Appl. Phys. 54 (2015) 04DC01
論文URL1年間,無料ダウンロードできます):http://iopscience.iop.org/article/10.7567/JJAP.54.04DC01

応用物理学会論文賞委員会の評価:
本論文は,微細Si MOSFETに対して,チャージポンピング(CP)法と呼ばれるMOS 界面の欠陥準位量を評価できる方法を適用して,その測定精度を高めることにより,測定しているMOSトランジスタのMOS 界面に存在する単一の界面準位の検出を行い,そのゲートパルス波形因子依存性などの詳細かつ系統的な実験結果を通じて,単一の界面準位から得られるCP信号の性質を明らかにしている.さらに,MOS 界面準位の物理的起源と考えられPb センターと呼ばれている,Siダングリングボンドに起因する欠陥の両極的性質の観点から,上記のCP信号の物理的意味を明確にし,従来のCP信号から界面準位密度を決定する方法に本質的変更をもたらしている.これらの成果は,MOS 界面準位評価技術として革新をもたらすとともに,MOS 界面準位を,これまでの密度という平均値から個々の欠陥として捉えるうえでの重要な基礎を与えている.このような単一あるいは少数の界面準位は,ナノスケールのデバイスに対して極めて重大な影響を与えるという意味でも,本論文の成果は意義深いと言える.加えて,長年にわたり十分な理解ができていないSi MOS 界面準位に関し,その個別の電気的特性を検出することを通じて,その物理的起源に対しても示唆に富む知見を見いだしており,価値の高い論文と考えることができる.以上より,本論文を応用物理学会優秀論文賞にふさわしい論文として推薦する.


  

  




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