Research

ディジタルホログラフィ

研究概要

 レーザー光の性質を利用して得られる画像をCCDカメラで撮ってコンピューターで処理すると,固体や液体の表面形状や変形,楽器やスピーカーの振動,液体の粘性,温度・濃度などの分布が非接触で測定できます.各種のレーザー,光ファイバー,CCDカメラなどのオプトエレクトロニクス素子,さらにディジタル信号処理技術や光通信技術を積極的に取り込み,実験室だけでなく,生産現場でも使える新しい計測や情報処理の手法の開発を目指していきます.

 

ディジタルホログラフィとは?

 下の図のようにレーザー光を半透鏡で2光路に分けて,記録したい物体を照射する光と参照光を作ります.物体から反射してきた物体光と,鏡で反射した参照光を重ね合わせてできる縞模様(干渉縞:ホログラム)をCCDで記録します.記録したホログラムをパソコン内で数値計算(フレネル変換)すると記録した物体光の振幅,位相情報が再生されます.これを使って,物体の形状,変形,移動などが測定できます.

 また,レーザー光の不規則な反射光の重ね合わせにより生じるスペックルパターンを利用した計測技術についての応用や画像処理による評価技術なども検討していきます.


ディジタルホログラフィの実験光学系

ディジタルホログラムの再生

 

 Youtubeにて, 研究紹介用の動画 を公開しています。

2017年03月02日

塗料乾燥モニタリング

 塗料は機械部品などの艶出し、さび防止、質感の向上などの目的で様々な部位に用いられ、また環境負荷を低減する 塗料の開発も行われています。そこで塗料の乾燥状態を定量的に評価することは産業界で重要であると考えられますが、 現在のところ、乾燥状態を非接触で定量的に評価できる方法は一部を除いてほとんどありません。我々は、ディジタル ホログラフィを使って塗料の乾燥状態を定量的に調べる手法について研究を行っております。

 塗料を塗布した直後の表面は、塗料に含まれる溶剤の揮発や塗膜の厚みの均一化作用などにより、その微細構造が 激しく変動します。時間経過に伴いこれらの変化が落ち着いてくることで変動が小さくなり、表面が完全に乾燥すると静止します。
 この性質を利用し、塗装面にレーザー光を照射した時の反射光を物体光としてホログラムをCCDで記録し、物体光の再生像の振幅、 位相情報により塗料の乾燥状態の評価が可能となります。この場合、一定時間間隔でホログラムを記録し、再生像の変化 を調べます。

 図1に示すような実験系を用いて、一定時間間隔(2秒程度)で連続的にホログラムを記録します。また、乾燥の指標 となる塗料の重量変化についても同時に記録を行います。記録したホログラムを再生後、隣接フレーム間の位相差を求めます。 位相差分布の時間変化を図2に示します。これらの分布から、時間経過に伴って色合いが同じ領域が広がってゆくこと がわかります。塗装範囲においてこの色合いの同じ領域は、位相差の値が一定であることを意味しており、乾燥して表面が固化した 部分であると考えられます。

 現在では,塗料の他にもインクの乾燥過程についても研究を行っており、小さな物体を観察できる ディジタルホログラフィック顕微鏡の配置を取り入れた乾燥評価方法を考えています。今後は塗装面のより詳細な位相変化を 検出するために,ホログラムの高速記録化や解析手法の高度化について検討しています。また本手法を用いた乾燥評価機器の 構築についても行いたいと考えています。

図1 実験系

図2 塗料した塗料の位相分布の時間変化

2017年03月02日
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