知能機械計測研究室

研究紹介

 

1.   音響メタマテリアルの研究開発

私たちの周辺に空気と共に音が常に存在しています.静かな夜は音が全くないように感じているかもしれませんが,騒音計で測ってみると20dBの値が表示されます.音も光も波動現象ですが,一枚の膜で簡単に遮断できる光と異なり,騒音防止するにはいろいろな工夫が必要です.騒音防止の方法として,遮音と吸音が良く使われています.吸音は音の持つ運動エネルギーを熱に変換し音を弱める方法です.遮音はこの言葉の通り音を遮断する方法です.しかし,一般の壁の遮音性能は質量則に従い,壁の単位面積当たりの質量(面密度)が高ければ高いほど,音の周波数が高ければ高いほど高くなります.すなわち,高い遮音性能を得るには.重い壁が必要になります.また,低周波音の遮音効果を上げるのが困難です.一方,省エネなどのため軽量化が求められています.

 軽量で高い遮音特性を持つ遮音材料を開発するのが本研究の目的です.音が壁に当たると,壁が音の圧力によって振動します.壁の反対側表面の空気が振動し透過音として伝わって行きます.遮音壁が入射音によって振動する時に負の質量の特性が現れるように特殊な形状にすると,低周波領域において遮音の質量則と逆の周波数特性が現れます,下図に音響メタマテリアルが振動する時のモード形状の解析結果を示しています.より高性能な音響メタマテリアルを開発するために,解析アプリケーションを用いたシミュレーションや性能を調べるための計測実験を行います.

図形

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2.振動を利用した亀裂の検出

振動や音を利用した構造物の亀裂と内部欠陥の診断および構造物の振動・騒音の低減に関する研究を行っています.構造物の亀裂などの欠陥を検出する研究では,板を流れる振動エネルギーの変化から亀裂を検出する方法の研究を行っています.この方法では下図に示すように亀裂の位置では振動インテンシティの値が異常に大きくなる特性から亀裂を特定します.

亀裂検出