半導体量子論

この講義では、中心的な電子部品材料である半導体の材料と物性の起源について、量子力学の観点から学びます。

電子工学概論や半導体デバイスの授業では、半導体で重要な概念として、キャリア、価電子帯、伝導帯、バンドギャップ、有効質量、等を学びますが、これらは天下り的に与えられていました。しかし、量子力学にもとづくと、いずれも半導体中の電子の運動状態を考えることで自然と導き出されます。

また半導体は太陽電池やLEDなど、光応用も重要ですが、これは半導体中で運動する電子が光と相互作用することによって生み出されています。このような相互作用の起源も量子力学に従うと理解することが出来ます。

そして半導体部品は半導体材料のみならず金属や絶縁体を接合して組み合わせて構築されますが、原子の組み合わせによってこのような多様な物質がなぜ出来るのかも量子力学によって理解することが出来ます。

こうしたことを理解することを通して、半導体部品の動作原理と制御指針を深く理解すると共に、ナノスケールで制御を求められる現在の電子部品材料の制御指針を良く理解し、また全く新しい電子部品を創造する力を養うことを目指します。