なぜ島根大学に入学しましたか?
 第一志望に落ちたからです。浪人を考えていたので、後期は合格の可能性が高い島根大学を受験しました。しかし、いざ浪人が現実的になると進路選択に悩みました。高校の友人も不合格で広島大学→愛媛大学への入学を決めたことが後押しとなり、島根大学に入学を決めました。
学部生時はどのように過ごしていましたか?
 学業について、入学当初は高いモチベーションでしたが、完璧を目指して朝まで勉強した韓国語の期末試験に寝坊してしまい、それ以降はモチベーションが下がりました。講義に行かない日が日々増え、結果として留年しました。その他、平日は友人と課題をしたり、遊んだり、休日は飲食店のバイトをするなど大学生らしく過ごしていました。しかし、研究室の配属前には大学生活を振り返ると学業面では全然成長できていないと実感していました。成長したのはコピペのスキルくらいでしょうか。本当にそのくらいの感覚でした。
なぜディジタル光学・計測研究室(旧:光応用計測研究室)への配属を希望しましたか?
 私は留年していたので研究室を選べる立場ではなかったですが、大学生活の最後くらいは一生懸命やってみようと思い、成長できると聞いていた光応用計測研究室を希望しました。今振り返るとこの研究室選択が人生の大きな岐路でした。
研究室在籍中で印象に残っていることはありますか?
 研究室在籍中は印象的なことが多々あり何を書くか迷いますが、大学院1年の時に人として過ちを犯したときに本気で叱っていただいたことは今でも鮮明に覚えています。このときを起点に自らの研究を見つめ直し、原理を1から理解して積み重ねて行きました。原理が理解でき、現象が分かるようになると研究が楽しくなり、主体的に取り組めるようになりました。その結果、成果を挙げることができました。また、国際学会や国内学会、東京での展示会にも参加させていただき、他大学のレベルの高さを知って視野が広がったことや、企業の方々に研究内容を説明した貴重な経験は大きな成長に繋がりました。横田先生は学生に対してよくコミュニケーションを取ってくださり、礼儀だけでなく、社会情勢や健康について知らなかったことを教えていただいたこともよく覚えています。
社会人3年目までで,社会で働く上で必要だと思うスキル・能力は何だと思いましたか?
 仮説を立てるスキルが必要です。入社して仕事を進めると上司やチームメンバーから「なぜするの?」「何のためにするの?」「違う方法じゃダメなの?」など目的や自分の考えを求められることが増えたことが学生時代とのギャップでした。学生時代も苦手であり、社会人になっても答えられないことが多々ありました。仮に他の人の言葉をそのまま答えても深掘りされると答えられなくなります。結局は自分の頭で考えたことしか答えられないです。研究でも実験前や動き出す前に、こうなるからこういう結果になるのでは?と仮説を立てることが重要だと思います。質問されたとしても自分で立てた仮説なので、自分の言葉で答えられます。さらに、仮説が間違っていても結果と比較して検証することで気づきなど得られるものも多く、成長できる機会が増えると思います。
過去を振り返ってみて,研究室での学びは現在どのように生かされていますか?
 研究室での学びが私の土台になっているので、活かされていることばかりだと思います。特に、学部から大学院の3年間での研究で得た考え方や経験は財産になっています。光学のことは何も知らない状態からその分野で成果を上げることは、社会に出たときに全く知らない仕事で成果を上げることと同じであり、研究室での学びや考え方が活かせます。また、3年間の研究で得た成功体験は自信になりました。
今後、目指していきたい理想像、想定しているキャリアについてお聞かせください。
 現在は自動車のボデー設計者ですが、自・他部門や協力会社の方々から信頼され、お客様に喜んでもらえるクルマを協力しながら造っていきたいです。ゆくゆくは部下と一緒に仕事したいです。今後も日々努力しながら成長し、チャンスがあれば挑戦していきます。