ディジタル光学・計測研究室の強み

 本研究室では,産業応用に直結した光計測技術(干渉計,ディジタルホログラフィ等)の研究を行っています。従って,当研究室に配属された学生は卒業研究,修士論文の研究に携わることで,それまで座学で学んだ計測や信号処理,光計測等の知識を基にして産業界における諸問題を解決する為の具体的な手段,方法,考え方を学びます。特に,本研究室では多くの企業と共同研究を行っており,企業技術者と直接対話しながら研究を進めることで就職後の職業体験も行うことができます。具体的には,次のような考えに基づいて研究室を運営しています。

人材育成の考え方
 陸の孤島,島根にある小さな地方大学でも頑張れば他大学に負けない研究ができるんだ!という意気込みで研究しています。研究の特徴は産業応用に直結した光計測システムについて研究していることです。近年は,強みである塗料・接着剤の乾燥・硬化の定量評価をはじめとして,レーダー技術のFMCWや内視鏡などに利用されるPOF,遠赤外画像の解析を行うLIT(ロックインサーモグラフィ)法などをディジタルホログラフィと組み合わせた応用研究を行っています。また,結果が画像で得られる為,その判定にAIの導入も始めています。
様々な業界に適用する光計測システムの開発を通した幅広い視点の獲得
 これから突入するAI・IoT時代の基盤としても光技術は必須です。そのため,光学やAIの知識を合わせ持つ技術者に対する需要は今後もさらに大きくなると考えられます。しかし,現実的には光学実験は非常に高価(数十 ~ 数百万円を超える)なため,地方大では光関係の実験系研究室が少ないのが現状です。また,共同研究を通して多くの産業界(塗料・塗装、試験機、自動車、光通信、印刷等),海外の大学とも連携してきた経緯を持つため,当研究室は単にAIや光学を学ぶだけでなく,幅広い業界の実態も経験できる地方大では貴重な研究室です。
研究に自発的・真摯に取り組める環境の整備
 本研究室では自ら成長したい,島根大学でも他大学に負けない研究がしたい,などの学生を歓迎しており,研究室内の学生もそのような思いをもって日々研究に取り組んでいます。また,指導教員である横田正幸教授は研究以外に,就職活動や将来のことに対して真剣に向き合ってくださるため,研究はもちろん,それ以外のことも本気で取り組める環境です。
OB・OGとの強固なネットワークを介した学び
 研究室では毎年,オンラインOB会を年に数回開催しています。研究室は2008年に創設され今年で14年になり,数多くの卒業生を多くの業界に輩出しています。定期的に様々な業界で勤務する幅広い世代のOB・OGと交流し,多くの先輩方から研究室で培われた力(専門知識だけでなく,卒研などを通して得られた考え方,視点,実践力など)がどのように実社会で役に立つのか,どの様な態度で研究(生活)するべきか,研究活動を通じてどのように勉強しておくべきかなどのお話を実際に聞くことができます。また,社会人の仕事内容や経験談なども聞く事ができます。このように幅広い世代の沢山のOB・OGの方々と交流できる機会があるのは本研究室だけだと思います。