【初めに】
 2023年4月に大学院を卒業し、徳島県のメーカーに勤めています。
私は、研究室選びをしている方に向けて社会人になって1年目という視座から、「研究室で学ばせていただいて、社会で役立てていると実感したこと」について書かせていただきます。

【役立てていること】
 研究室では様々なことを体験し、勉強させてもらいました。その中で役立てていると実感したことは"なぜを考える姿勢※1"と"資料の作成方法※2"です。これを実感した実例を挙げさせていただきます。

【※1】
 私は部署配属されてから、検査装置の立ち上げ(組み立て~検証)を任されました。検証を行っている際に、データの異常や部品が壊れてしまうことがたびたび起こりました。現象の要因を特定するため、壊れた部品・装置の構造を調べました。その結果、使用する装置の能力不足・清掃方法の改善が必要であることが分かりました。また、この現象を未然に防ぐことができなかった要因は「前装置の構造を基にしていたため事前の確認がなかった」「清掃方法の未確立」であったことがわかりました。この時に「なぜこの現象が生じるか、なぜ未然に防げなかったか」を考え、改善ことができたのは研究活動を通して学び、指導していただいたためでした。
 研究は新規性があり専門的なことを扱うためこのような力が身についていきます。また、先生から自分で気づけていなかった部分を指摘していただけるため視野が広がり成長していくことができます。

【※2】
 私の部署では週一回、月一回の報告会があります。この時にパワーポイントで報告を行っています。上記の問題が生じたときや仕事の進捗具合を報告しています。
 資料を作成するときには、誰に向けてのものであるかを念頭に置いて作成していきました。例えば週一回の報告では部署内の方のみ出席となります。そのため、部長や課長などの忙しい方々向けの簡潔かつ過不足がない資料作成が求められます。そこで資料はグラフや画像を多く、文章を少なく、用語を使う際には注釈を入れるなど一目でわかりやすいように作成しました。そのため、上司の方々に評価をしていただけただけでなく様々な助言を頂くことができました。 資料の作成能力は周りの方々に情報を伝えるために重要なことであるため、組織で動くうえで大変重要です。
 研究室では、研究報告会だけでなく学会、研究室見学会など様々な状況での発表、資料作成を経験させていただきました。この経験とご指導のおかげで誰に向けて作るかを考えて作成する力を成長させることができたと思います。

【最後に】
 研究室では上記以外にも「自分で考えて動くことの大切さ」や「今後どういう考え方が必要であるか」など様々なことを先生からだけでなく先輩や同期の方々から学ばせていただきました。本当にありがとうございました。
会社では大学時代の研究テーマをそのまま仕事にしている人はほとんどいません。そのため、研究室選びは研究テーマだけではなく、何を学び成長につなげることができるか周囲の環境は研究活動だけでなく多くのことを学べるか等を調べて選ぶことをお勧めします。

就職先が決まった方へ:
会社に入ってからどのような自分になりたいかを考えて働いていくと仕事に対する考え方も変わり面白いと思います。

【追記(就職活動)】
就職活動の時にも学ばせていただいたことが役立ちました。
例)
ESの作成
→資料を誰がみるか
・どのような状況? → 応募者多数のため簡潔かつ分かりやすいこと、
・どういった人材を求めている? → 自ら行動し様々なことに挑戦する姿勢や向上心

なぜ面接をするのか?
→人柄や仕事に対する姿勢を知りたいから。

何から知るのか?
→研究活動への取り組み、学生時代に力を入れたことの説明から判断
→求める人材に合った話を選びわかりやすく説明(身近なものに例えたりする)